『ロッキー』と生卵の滋養?
2004年 09月 05日
『ロッキー』は見た事ありますか?
4回戦ボクシングで日銭を稼ぐロッキーが、幸運にも世界ヘビー級チャンピオン・アポロとの対戦権を得て、血のにじむ様な努力をし、勝利を手にするという感動的な映画。あの中で、ロッキーがアポロとの対戦前に生卵を一気飲みするシーンがあるのですが覚えていますか?
『生卵の一気飲み』がブームに
あの生卵を飲むシーンを観てから、精をつけるために、大ジョッキに沢山生卵を入れ、一気飲みするというブームが起きました。昔から、日本人にとって生卵を飲むことは精のつくことだと信じられていたので、あのシーンを見てなるほどと思ったわけです。
しかしアメリカンにとって『生卵を一気飲みシーン』は
衝撃的なシーンだったのです。生卵を飲むのは、ゲテモノ食と同評価であり、勝つためにはあそこまでするのかと思わせたのです。アメリカでは生卵を食べる習慣はありません。卵を生で食べるのを禁止している州もあるくらいです。また、他の国々でも生卵を食べる習慣はほとんどありません。
実際、生卵は精がつくものなのか?
滋養強壮に効くものなのか?
生卵はそれほど強精効果はありません。
むしろ生卵を飲むと飲むと健康を損ねる事にもなり得るのです。例えば、白身の部分が消化されないまま血中に入ってしまうことがあり、血中に入った卵のたんぱく質は、元来人間のたんぱく質(アルブミン蛋白)とは異質であるため、体内で馴染みにくくアレルギーを引き起こす原因になるそうです。
また生卵の卵白には消化の抑制物質が含まれています。この抑制物質が小腸に入ると、小腸での消化が妨げられてしまいます。生卵の消化効率は60%程度で、40%は消化されずに終わってしまいます。なので、生卵を飲んでも元気がでなかったのは当然なのです。効果がでた人はこれもプラシーボ効果で元気がでた可能性が高いのです。
元気を出すための卵の食べ方
火を通すことです。消化抑制物質は熱に弱いので、火を通せばこの物質は消え、消化効率はなんと96%にあがります。ですから、スープや卵焼きなどの調理をほどこした方がいいのです。一番消化にいいのは半熟卵です。