学習する鳥、しない鳥
2004年 08月 31日

ニワトリの鳴き声は学習によるものか、生得的なのか?
小西 正一氏は(カリフォルニア工科大学名誉教授)ニワトリの鳴き声についての研究しました。はじめに小西氏は、ヒナを餌にさそう時の「コッコッコッ」や、猫やカラスなどの天敵に対する警戒の「コッケッーコッコ」などが、親鳥から学んだものなら、ヒナの耳を聴こえなくしてしまえば、鳴き声は出せなくなると、推測しその実験を行ないました。
その結果
孵化(ふか)後、翌日から、音を遮断してしまったニワトリも、成長時には、ほとんど正常に声を発することができたのです。つまり、ニワトリは発声パターンを生まれながらに習得していたのです。また、成鳥になってから、自分の声を自分で聴くというフィールドバック経路を遮断しても、声のパターンはほとんど正常に維持されていたのです。
しかし、すべての鳥が学習しないニワトリタイプではない。
燕雀類(えんじゃくるい)の小鳥で同様の実験を行なうと、幼くして音を遮断された小鳥は生涯、きちんと歌えなかったのです。また、隔離して育てた場合は、ある一定の時期の同種の雄の歌を聴かないと、やはりきちんと歌えるようにはならなかったのです。
学習して歌う小鳥であっても、歌い出す前に音を遮断されると、自分の歌っている歌のモニタリングができず、きちんとした歌が歌えなくなることも明かになりました。
