宿便と腸内洗浄器
2004年 08月 21日

と「お医者さんも戸惑う、健康情報を問う」の著者小内亨医師は語る。同医師は宿便の語源を調べていて、医学論文に宿便性潰瘍という西洋医学の病名を見つけたのだそうです。ただし、この病名で使用される宿便は高度の便秘に伴う糞便塊を指すものなのです。
消化器内科等の専門の学会でも、腸の中に便が年輪のように貼り付いて蓄積したという事例はないとの事です。腸壁は常に粘液がでていて、蛇のような動きをしているので、腸ヒダはさざなみのように動き、その中を便が通過していくのですから、谷間に便がたまりっぱなしにならないのです。
日本では数年前からネット上で、(ダイエット目的で)宿便を除去するための腸内洗浄キットが販売されています。腸内洗浄とは、肛門から管を入れそこから水やコーヒー、石けん水などを注入し大腸内の便を無理に排出させる方法で、確かに便が排出されれば一時的に体重は減りますが、また食事をすれば元に戻ってしまいます。
恐いのが、コーヒー浣腸による死亡例(JAMA 244:1608-1609, 1980)や腸内洗浄が元でアメーバ症が広がったとの報告事例があることです。そしてその安全性に疑問が投げかけられています。しかも、その理論には科学的根拠がなく病態生理学的にも真っ向から批判されているのです。(JAMA 268:3224-3227, 1992)
小内医師も理論的に問題のあること、決して安全ことから、腸管洗浄やコーヒー浣腸は全く無意味な治療法といえるとコメントしています。
(*^・ェ・)ノ 腸内洗浄には注意が必要です!

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