★ボケ予防にはワインを、ビールは痴呆の発症率が高い?
2004年 07月 01日
ビールは痴呆の発症率が高い?
(Neurology 2002.11.12)

デンマークのお年寄り約1700人を対象とした調査で、ワインを飲む習慣がある人には痴呆が少なく、逆にビールでは多いことが明らかになった。
ワインとビールの飲酒パターンの違いや、ワインに含まれる抗酸化成分の、フラボノイドなどが影響していると研究グループはみている。
調査はまず、コペンハーゲンに住む65歳以上のお年寄り1711人に、「ミニメンタル検査」(MMSE)と呼ばれる認知機能試験を受けてもらい、痴呆かどうかを診断。
さらに、過去15年間の飲酒習慣や、飲むアルコールの種類などを調べて、痴呆とアルコール摂取との関係を分析した。
試験の結果、痴呆の人の6割に全くワインを飲む習慣が無いのに対し、痴呆ではない人では4割しかワインを飲まない人がいなかった。
喫煙習慣や血圧など、痴呆の発症に影響し得る様々な因子で補正すると、ワインを飲む人は飲まない人よりおよそ2倍痴呆になりにくいことがわかった。
逆にビールについては、こうした因子で補正して計算すると、「月に何度か飲む」人ではおよそ2倍、全く飲まない人よりも痴呆を発症しやすいことが明らかになった。
「週に何度か飲む」人でも、痴呆の発症率が高い傾向が認められた。ウィスキーなどの蒸留酒でも、飲む人の方が飲まない人より痴呆発症率が高い傾向があったのです。
なぜビールを飲む人で痴呆が増える計算になるのかは不明だが、「ワインは食事と共にたしなむことが多いのに対し、ビールは飲み会などの特別な機会で大量に飲むことが多く、そうした“飲酒パターンの違い”が、影響しているのでは」と研究グループはみている。
一方のワイン、特に赤ワインには、老化を防ぐとされる抗酸化成分のフラボノイドが含まれており、こうした成分が「痴呆の発症を防ぐ方向に働いた可能性がある」と研究グループは考察している。

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