★「キリスト一家の棺」公開 専門家は疑問視(・-・)・・・ん?
2007年 03月 02日
専門家は疑問視
2007.02.27
(CNN)

エルサレム──米映画監督ジェームズ・キャメロン氏は26日、キリストとその復活に立ち会ったマグダラのマリアの骨が納められていたとみられる棺2基を公開したが、考古学者や宗教学者らはただちに疑問を表明した。
キャメロン氏が製作を手がけたドキュメンタリー番組「The Lost Tomb of Jesus」(失われたキリストの墓)は来月4日、米ディスカバリー・チャンネルで放送される。同氏はこれに先駆けて記者会見を開き、1980年にエルサレム南方郊外にある墓所で発見された棺10基の中に、キリスト一家の骨を納めたものがあった可能性を指摘した。
同番組は、「キリストの息子」と称する棺も発見されていることから、キリストに子どもがいた可能性があるとしている。また、同番組のディレクターは、棺の1つにマグダラのマリアを意味する古代語が刻まれていたと述べた。
キャメロン氏は米NBC「トゥデイ」で、棺をめぐる同番組の結論を統計学者の大半が支持したと述べた。 キリスト教はエルサレム旧市街の聖墳墓教会を復活前のキリストの墓所跡としており、棺が発見されたエルサレム南方からは離れている。
英BBCは1996年、同じ題材でドキュメンタリー番組を製作したが、最初に現場を調査した考古学者は「考古学の基準に裏付けられていない、金もうけ目的の番組」と批判した。考古学者はキャメロン氏らの主張についても、棺に刻まれた名前が当時ユダヤ人の間で一般的だったと反論した。
墓所を発見した考古学者3人の1人は26日、キャメロン氏らの番組内容に疑問を表明する一方、「可能性は受け入れる」とコメントした。しかし、エルサレムのキリスト教指導者らは反発を表明。番組で取材を受けた聖書研究家の大学教授は、結論に重要性がないと述べた。
教授は「キリスト教徒がこれを受け入れるとは思わない。ただ、懐疑的な人々は一般的に、多くの人々が信じる話にけちをつけてみたいもの。可能性を1から10までの基準で評価するなら(番組内容は)おそらく1─1.5だろう」と語り、棺の古代語が正しく解読されたか不明だと指摘した。
50年近くイスラエル人と研究活動に携わってきたウィリアム・デンバー米アリゾナ大学名誉教授は、棺の存在が専門家の間で以前から知られていたことを明らかにしたうえで、「無視され続けてきた事実は何かを語る。これが多くの人々を誤り導かなければ面白いのだが」とコメントした。
米ニューヨークへの棺移送で責任者となったイスラエル当局者は、発送当時に人骨が入っていなかったと述べるとともに、「棺の発送で合意したからと言って、キャメロン氏の主張に賛成しているわけではない」と明言した。

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