★カラスを食べた小泉先生の話⇒カラスは肉まで不気味
2005年 01月 25日

カラスがどんな味がするか知っている人なんて、そうそういるものではありません。小泉武夫先生は『不味い』に、東北地方ののとある湯治場(とうじば)でカラスの「ろうそく焼き」を賞味したことを書いています。

小泉先生が湯治場の親爺さんに「カラスの肉って美味しいのかね」と聞くと、親爺さんはすかさず「まずくて食えた代物ではねえ。とにかく肉が臭くて、それがいつまでも頭の中に残る臭さだからたまんねえ」と答えたそうだ。「頭の中に残る臭さ」とは?

羽をていねいにむしりとると、現れた肌は全体がどす黒く、見るからにまずそうだったという。雉子(きじ)や山鳥は内臓も珍重されるが、カラスの場合は内臓は特に臭くて食べられたものではないらしい。

(1)カラスの胸肉、もも肉、手羽肉を包丁で根気良く叩きペースト上にする。
(2)ペースト上の肉に、みじん切りした長ねぎ3本とニンニク大玉の2個を混ぜる、再び叩く。
(3)肉、長ねぎ、ニンニクが一体になったら、その全体量の4分の1ほどの味噌を加え、つなぎの小麦粉も少々加え、再び叩く。
(4)最後に七味を振り、30cmほどの竹串に叩いた肉を巻きつけ、焼きちくわのようなものをつくる。
(5)焚き火のまわりに竹串を立てて焼く。
『カラスのろうそく焼き』の名が生まれたのも、味噌で白っぽくなったペースト上の肉を竹串に巻きつけたものが「ろうそく」を連想させたからだろうと小泉先生は語っている。

(本文のまま)
先ず匂いをかいでみると、悪臭などは全くせず、むしろ実に香ばしく、食欲をそそるものであった。これはいけそうだ、と思い、その肉棒にガブリ、とひと噛み入れて賞味した。瞬時に「おいしい!」と思った。鶏のつくねや焼きに何ら変わりない気がしたのだ。
これはおいしいわい、とどんどん噛みしめていくと、カラス肉からでたうま味と味噌の濃い味が一体となり、そこに七味唐辛子のピリカラが入ってくるので、ますます口の中はよろしき状態となったのだが、ところが、来た来た!!これまで嗅いだこともない奇妙な匂いと臭みがじんわりと鼻にやってきたのだ。あのニンニクの大玉2個の烈臭までマスキングしてしまうほどのカラスの肉の臭みである。
そして、口の中で噛めば噛むほど、その陰湿な臭みが鼻をついてきて次第に強くなる一方なのであった。歯と歯で噛まれてさらに細かくなった肉は、唾液にとけて、液状に近いほどペトペトの緩さにまでなっているのだが、その呑み込む寸前の状態のものが奇妙な臭みのためにどうしても呑み下せない。世界を股にかけ、地球上の多くの寄食珍食をしてきたこの味覚人飛行物体の俺にしても、時としてこのような伏兵に出くわすと、突如尻ごみ、いや舌ごみすることだってあるのだ。
さて、そのカラスの肉の匂い、一体何に似ているかなどと考える必要は全くなかった。口にしてすぐにその匂いの酷似物が頭にひらめいたからだ。即ちそれは仏壇やお墓に供える線香である。その線香の煙の匂いに実によく似ている。・・・・・
肉の匂いがお線香によく似ているなんて・・・怖すぎです。
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