★人はなぜキスするのか?キスをしたくなるのか?
2005年 01月 02日

人はなぜキスをするのか?この根源的な疑問にはさまざまな諸説があって興味深い。その諸説の一部を紹介します。

未開人は、物と舌でなめることによって、その物を清め、自分のものにする習慣があった。つまり「つばをつけること」が所有を表わすのだ。「つばをつける」という言葉もそこからきているのだろう。

人肉を食べた時代の習性が形をかえ、キスとして引き継がれたという説。

大人の口唇愛(こうしんあい)は幼児期に口唇愛を剥奪(はくだつ)されたことの反映であるとしている。フロイト説によると、幼児が通常与えられべき口脣愛を与えられないと、一生その欠落を補償するために費やすというのだ。
しかし、デズモンド・モリス博士はフロイト説には見落としがあるという。人生のいかなる段階でも一度経験した快楽は将来まで続く行動パターンを確立しがちであるということだ。
つまり、赤ちゃんの時に母乳を吸う喜びを与えられてた人は、大人になって再び味わうチャンスがあった時、それを見逃さない。それは幼児期に口唇愛の剥奪(はくだつ)がなかったからだという。
フロイトはキスや喫煙などを楽しむ大人に否定的な態度をとった。それは彼の口が絶えず苦しめられたことにあるとされる。フロイトは口蓋(こうがい)ガンにかかり、33回に渡る手術でその大部分を取り除くことになった。
彼はガンによって口唇愛を大人になって楽しむことはできなかったのだ。その彼が口唇(こうしん)愛を楽しんでいる大人のことを、幼児期の口唇愛の剥奪の反映であると考えたことについては許してあげてもいいのではないかとモリス博士は付け加えた。

恋人どうしのキスは、本来のキスの起源により近いという。キスは挨拶でも、性のジェスチャーでもなく、離乳行為の一部として始まったのだ。
まだ便利な離乳食がなかった頃は、母乳から固形食に切りかえるために、母親は自分の口内で噛(か)み砕いた食べ物を乳児に口移しで食べさせていた。
この行為は孤立した部族ではいまだに行われていて、唇(くちびる)の接触は母親から食べ物を与えられるという喜びの間に愛の結びつきもつくり出した。
つまりキスされることは愛されることであり、キスすることはすなわち愛することであり、キスの起源はここにあるというのがモリス説だ。なるほどとうなづけるものがある。
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