★ノートPCの熱が男性の生殖機能に悪影響の報告⇒詳細
2004年 12月 13日

男性の生殖機能に悪影響と発表
ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校のイェフィム・シェンキン助教授ら(不妊治療研究チーム)が最近行なった研究によると、就業時に腿(もも)の上にノートパソコンを載せて使っている男性は、生殖能力に悪影響が出る可能性があるという。
研究チームでは、ノートパソコンから熱が発生するうえ、腿(もも)の上に直接パソコンをのせると、これを支えようと腿を閉じた姿勢になり、熱がこもることから問題が生じるとしている。そうだ。この熱が陰嚢(いんのう)に伝わり、温度が数度上昇することで、精巣が機能不全となる危険囲に達する可能性があるという。
被験者は21歳から35歳までの29人のボランティアで、実験には2つのブランドの『ペンティアム4』搭載機が無作為に使われ、さらに、パンツやズボンの違いによるばらつきをなくすため、2回の実験で被験者全員が同じ種類の衣服の着用を求めた。被験者の陰嚢の温度は、陰嚢の両側に取り付けた機器で数分ごとに測定された。(ただし、この実験では精子生産量は測定されていない。)
腿の上に乗せただけで、陰嚢の温度は摂氏2.1度上昇
●パソコン電源をイン●
陰嚢の右側部分は2.8度、左側部分に2.6度上昇
ノートパソコンをひざの上に置かずに、腿(もも)を閉じて1時間座るという実験では、陰嚢の温度は平均で摂氏2.1度上昇した。このことは、ノートパソコンが発する熱だけでなく、ノートパソコンを支えるときの姿勢も、陰嚢の温度上昇の原因となりうることを示唆している。
科学者の間でかなり前から、『陰嚢、精巣の温度が摂氏1度上昇するだけで、健康な精子の生産量が最大40%も減ること』は知られており、今回の研究で、電源の入ったノートパソコンを膝の上に置いて1時間座っていた被験者は、陰嚢の温度が平均で摂氏2.6度から2.8度上昇するという結果への懸念は大きい。
(アイオワ大学医学部泌尿器科所属の男性不妊専門家)
ノートパソコンのユーザーに使用法の改善を勧めるのは、さらなる研究結果を待ってからのほうがいいだろうとウォールド氏は述べている。(同氏は今回の研究には関わっていない。)
今回の研究で、陰嚢(いんのう)の温度上昇の確認ができ、温度の上昇が精子生産に影響するかもしれないことがわかっている以上、詳しく調査を行うべきだ。しかし研究はまだ初期段階であり、現時点でノートパソコンの使用法の改善を強く推奨することに乗り気でないと語った。
ノートパソコンの使用と男性不妊との関連性を証明するにはさらに研究が必要なことは認めているが、これまでの研究の結果だけをみても、特に子どもを作る予定がある、ノートパソコンのユーザーに対しては、注意を促す必要性を感じると言う。
「診察前に患者に書いてもらう問診票に、熱い風呂やサウナに入るか?という質問を追加し、もし子どもを作る予定があるなら、止めるべきだと伝えているそうだ。さらにこれからは、ノートパソコンを使用の有無を問う項目も追加するつもりだ」と語った。
今回の研究結果は『ヒューマン・リプロダクション』誌の2005年2月号に掲載される。研究報告書は若い男性に、ノートパソコンを机やテーブルなど膝の上以外の場所に置くことを勧めているという。
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