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by amor1029
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★東日本大震災:野生キノコから高濃度セシウム-福島

★【【3記事+写真あり】】:「東日本大震災:野生キノコから高濃度セシウム-福島」国の暫定規制値を大幅に上回る2万8000ベクレルの放射性セシウムが検出される・・・詳細は「知識の泉 Haru's トリビア」をご覧下さい!!/キーワード:東日本大震災, 放射性セシウム, チチタケ


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チチタケから
規制値大幅超セシウム
福島・棚倉

2011.9.3
yomiuri

福島県は3日、同県棚倉町の山林で採取した野生のチチタケから、国の暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を大幅に上回る2万8000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。

チチタケはシーズン初めのため、市場に流通しているものはないが、県は同日、同町や販売業者に、チチタケを含む野生キノコ(菌根菌類)の摂取と出荷を自粛するよう通知した。

県によると、このチチタケは1日に採取された。県は今後、付近の野生キノコの放射性物質検査を行うとともに、摂取自粛を呼びかける看板の設置などを行う。

同県では、これまで野生のキノコで暫定規制値を超えたのは、同県古殿町のチチタケの3200ベクレルが最高値で、県は「ここだけ突然高い値が出たので困惑している。調査を続けて原因を調べたい」としている。






016.gif
チチタケ
学名:Lactarius volemus (Fr.) Fr.
(ベニタケ科 チチタケ属)


夏から秋にブナ科の林内の地上に発生する。味に多少くせがあるが、好んで食用にする人も多い。チダケサシという植物は、このきのこを刺して運んだことから名づけられたともいう。

特 徴
傘は初めまんじゅう形で後には開いて平らからろうと状になる。表面の色は黄褐色から赤褐色で、幼時は暗色、細かいビロード状になる。ひだは柄に直生からやや垂生し、白色から淡黄色、並び方は密。柄の表面は傘とほぼ同様である。傷つけるとやや渋味のある多量の乳液を分泌する。乳液は初め白いが、次第に褐色になり、ねばりがある。 (weblio)




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キノコと放射性セシウム 

医研

1986年のチェルノブイリ事故の後、多くの放射性核種について環境挙動や被曝線量の見積に関する研究がなされてきた。こうした中で、森林生態系に取り込まれて土壌中に蓄積した放射性セシウムが、キノコに特異的に濃縮することが明らかとなってきた。

ヨーロッパを中心として10,000 Bq/kg(乾燥)以上のセシウム-137濃度が数多く報告された。キノコ中の放射性セシウムに関する研究は、二つの面から重要である。まず、キノコを食用とする国では、キノコを通して人体に取り込まれる放射性セシウムの量を明らかにする必要があること。

そして、キノコを形成する菌類は森林中の物質循環に大きく関与しているため、放射性セシウムの挙動に関しても大きな役割をはたしている可能性があることである。


★東日本大震災:野生キノコから高濃度セシウム-福島_a0028694_9205259.gif研究例

日本のキノコに関するデータがほとんど無かったため、筆者らは日本各地から野生キノコを中心に124種(284試料)を集めて分析した。セシウム-137の濃度は、<3から16,300 Bq/kg(乾)まで試料によって大きく異なり、その中央値は53 Bq/kg(乾)であった。これらの値はヨーロッパで報告された値と比べると1~2桁程度低い。

日本のキノコ中の放射性セシウムは主として1960年代に行われた核実験からのフォールアウトに起源を持つものであった。キノコ中の濃度は同じ場所に成育する植物に比べて明らかに高かった。

われわれ日本人が普段食べるのはほとんどが栽培キノコである。そこで、人工栽培された食用キノコ約100試料を別に集めて分析したところ、セシウム-137の濃度は野生キノコよりも低く、中央値は13 Bq/kg(乾)であった。これは、栽培に用いられる菌床や原木中の濃度が低いためである。日本人が栽培キノコを食べる

ことによりセシウム-137から受ける実効線量は年間7.7×10-8 Svと非常に低く、自然界から受ける線量の約0.003%であった。この値は野生きのこばかり食べたとしても十分に低い。ただし、他の食品中のセシウム-137濃度がより低いため、食品全体に対するキノコの寄与は約1/3と高い。

キノコをつくる菌の本体は菌糸である。これらは普段われわれの目に触れることはないが、倒木や土壌中に張り巡らされ、シロナガスクジラより大きな菌糸体もみつかっている。地球上で最大の生物とも言われるゆえんである。この菌糸が、森林生態系での物質循環に重要な役割をはたしており、放射性セシウムの挙動にも影響を与えているらしい。

最近の研究によると、土壌中の放射性セシウムの30~40%が菌類の菌糸に保持されている。また、菌糸の移動やキノコの発生に伴って放射性セシウムが移動し、土壌中での再分配が起こるという報告もある。菌糸がセシウムを保持する能力を室内実験によって明らかにする試みもなされている。筆者らも、放射性同位元素を用いた室内培養実験を進行中である。

放射性セシウムと言えどもその生物・化学的な性質は安定なセシウムと同じはずである。最近、筆者らはキノコや植物中の安定元素を分析し、放射性セシウムの濃度と合わせて解析している。その結果、キノコは植物に比べて、セシウムやルビジウム濃度が高く、反対にストロンチウムやカルシウム濃度が低いことが明らかとなった。

東海村の松林で集めたキノコ中の安定セシウム濃度と放射性セシウム濃度の相関は良く、両者の比はほぼ一定であった。即ち、キノコは本来セシウムを吸収しやすい性質を持ち、放射性セシウムは安定セシウムと共にキノコに取り込まれている。

また、森林の表層土壌に移行した放射性セシウムは、比較的早く安定セシウムと平衡になり、森林生態系での物質循環に取り込まれていると推定される。なぜキノコにセシウムが濃縮されるのか、吸収機構の詳細は不明である。研究材料として興味は尽きない。冬の夜、温かい鍋をつつきながらキノコの不思議に一寸思いを巡らせてみてはいかがだろうか。(第4研究グループ 吉田 聡)




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by amor1029 | 2011-09-04 08:43 | 放射能 食べ物