★【事故解説図】悲劇の“落とし穴死”手伝った友人の罪は?
2011年 08月 30日


転落…窒息夫婦死亡
2011.8.29
sanspo
新婚ラブラブのカップルなら、夫の誕生日を“特別な”演出で彩りたいもの。そんな新妻の気持ちが、取り返しの付かない悲劇を生んだ。
石川県警津幡署によると、死亡したのは、金沢市湖陽の会社員、出村裕樹さん(23)と妻で事務員、里沙さん(23)。2人が落ちた穴は約2メートル40四方、深さ約2メートル50もあり、里沙さんが同日昼ごろから、友人5、6人とともにスコップで砂浜に掘った。
人力での穴掘りは大変だったはずだが、それも9月1日に誕生日を迎える裕樹さんを驚かせたいがためだった。関係者によると、2人は今年4月に結婚したばかりの新婚さん。友人らも2人のためにと穴を掘った。
5~6時間かけて完成した穴にはブルーシートをかぶせ、上からうっすらと砂をまいて場所が分からないようにした。そして里沙さんはいったん帰宅。
夕食を夫婦そろって自宅でとった後、裕樹さんを海岸に誘った。午後10時前に自宅から約9キロ離れた現場に来た2人は少し歩いていたが、思いがけないタイミングで足元に大穴が開いた。
「以前は海水浴場があったが、今は何もない暗いところ」(同署関係者)という現場で、落とし穴の位置が分からず、一緒に踏み抜いてしまったのだ。
2人は頭から真っ逆さまに落ちた。シートの上にかけられていた砂だけでなく、穴の周囲も崩れたらしく大量の砂に埋まった。落ちる際に叫び声を上げ、それを近くで裕樹さんが“仕掛け”に引っかかるのを待っていた、穴を掘った友人らが聞きつけた。
あわてて通報したものの、「発見されたとき、2人は穴の底で足を砂から出している状態だった」と同署関係者。約1時間後に救出されたが、結局、砂に埋まったことにより窒息死してしまった。
同署は過失致死の疑いもあるとみて、穴を掘った友人らから事情を聴くとともに、詳しい状況を調べている。


(落とし穴の深さ(高さ)2.5mはこんなに深い
夫婦2人生き埋め窒息死
2011.8.29
j-cast
世の中、思いもよらぬことが起る。おととい27日(2011年8月)、石川県かほく市の大崎海岸で落とし穴に落ちて若い夫婦が死亡した。この落とし穴は妻が友人たちと掘ったものだった。
亡くなったのは金沢市の会社員出村裕樹さん(23)と妻の里沙さん(23)。午後10時すぎ、2人は連れ立って海岸の砂丘に入って落とし穴に落ちた。上半身が砂に埋まっていた2人はおよそ1時間後に助け出されたが、意識がなく病院で死亡が確認された。窒息死とみられる。

落とし穴は2.4メートル四方、深さ2.5メートルと大きなもので、この日午後、里沙さんが友人数人と掘ったものだった。穴の底にはマットレスが敷かれ、上にはブルーシートをかけて砂で覆ってあった。夫婦はこの4月に結婚したばかりで、落とし穴は誕生日を迎える裕樹さんを驚かそうと掘ったという。
消防などによると、ブルーシートを支えるために周囲に相当量の砂が積んであったらしく、2人が落ちた上にその砂がかぶさったらしい。現場取材したレポーターの西村綾子は「一見サラサラだが、実はかなり重い」と報告する。
司会の加藤浩次「4月に結婚したばかりで、やあ、落ちたぁと楽しくやるはずが…」 西村がスタジオで穴の大きさを再現してみせたが、これは大きい。とくに深さ2・5メートルは、西村の背丈より1メートル近く深い。ここへ2人は頭から落ちた。
加藤「足から落ちればよかったのかもしれないが」
重たい砂が頭上から崩落と、キャスターのテリー伊藤が落とし穴を語り始めた。
「バラエティーで落とし穴やったことがあるが、普通は穴の向こうから声をかけるから、落ちる人は前を見てる。ところが、これは暗いところで下を見ながらだから、頭からいっちゃった。それとマットレス。2メートルも落ちたら、マットレスは効果ない。ウレタンとか柔らかいものでないと。またブルーシートより発砲スチロール」
加藤「もっと抜けやすいものを使う」
テリー「そういう知識はないだろうから。かわいそうだよね」
勝谷誠彦(コラムニスト)「子どもの頃から砂山を作ったりして遊んでない。砂の怖さを知らないんですね。砂ってのは重くて緻密なものなんです。砂浜で砂をかけられただけでも動けないじゃない」
テリー「2.5メートルは深すぎる」
たしかに、これはいたずらの大きさを超えていたのだが、それをわかる人がいなかった。子どものときにもっと遊んでないといけないか…。

1・5m超の穴掘り「違法」
2011.8.30
yomiuri
石川県かほく市大崎の大崎海岸で27日夜、砂浜に掘られた落とし穴(約2・4メートル四方、深さ約2・5メートル)に転落した金沢市湖陽、会社員出村裕樹(ひろき)さん(23)と、妻の里沙さん(23)が死亡した事故で、穴掘りの最中に「穴が深すぎて危険なのではないか」という指摘がメンバーからあり、穴の底に複数枚のマットを敷いていたことが29日、捜査関係者への取材でわかった。
県警は、当事者たちが危険だと認識していた可能性が高く、重過失致死の疑いがあるとみて、里沙さんや友人らの立件を視野に詳しく調べている。
捜査関係者によると、落とし穴作りは、9月1日に誕生日を迎える裕樹さんを驚かせようと、里沙さんが発案し、友人の男女6人を誘ったという。里沙さんらは27日昼過ぎから約5時間かけて穴を掘った。その後、底にマット数枚を敷き、上部は畳約6畳分のブルーシートで覆い、夕方以降、危険防止のために目印を立てていたという。
計画では、裕樹さん一人を落とすはずだったが、2人は携帯電話の明かりのみで歩いて穴に向かったため、暗闇の中で里沙さんも穴に気付かず、誤って転落したとみられる。
司法解剖の結果、2人の死因は砂に埋まった際、胸部を圧迫されたことによる窒息死と判明した。また、2人の転落時刻は当初、午後10時過ぎとみられたが、その後の調べで午後10時半頃だったこともわかった。

県河川課は29日、海岸の土地で深さ1・5メートルを超える穴を掘る場合、海岸法の規定で県知事の許可が必要となることを明らかにした。
同課によると、死亡した夫婦やその友人からは、許可申請が出ていなかった。ただ、仮に申請されたとしても、落とし穴を掘る目的では、許可は出さないという。
海岸法では、無許可で海岸の土地を1・5メートルを超えて掘削した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。同課は、事故の再発防止を図るため、大崎海岸の事故現場に注意を呼びかける立て看板を設置する方針。

手伝った友人の罪は?
2011.8.29
zakzak
喜んでもらうはずのサプライズ演出が信じられない結末を生んだ。誕生日が間近の夫を驚かせようと新妻が友人らと海岸に落とし穴を掘ったが、誤って夫婦ごと落下して共に窒息死。快く手を貸した友人たちも過失致死罪に問われる可能性があるというから、まさに悲劇だ。
事故が起きたのは石川県かほく市大崎の海岸。県警津幡署によると27日午後10時45分ごろ、金沢市湖陽の会社員、出村裕樹さん(23)と妻で事務員、里沙さん(23)が掘られた砂浜の穴に転落した、と消防に通報があった。駆け付けた救急隊員が2人を引き上げ、病院に搬送したが、死亡が確認された。
転落は27日午後10時ごろだったが、仲間らが救出作業を優先させるなどしたため通報が遅れ、夫妻が引き上げられるまでには2時間近く経過。同署によると、穴は約2・4メートル四方で深さは約2・5メートル。死因は頭から砂に埋まったことによる窒息死とみられる。
9月1日に誕生日を迎える夫の裕樹さんを驚かせようと、里沙さんが27日昼ごろから友人5、6人とスコップやはしごで落とし穴を掘り、ブルーシートで覆って、上から砂をかけて位置が分からないようにしたという。
里沙さんはいったん、海岸から約9キロ離れた自宅に戻り、夫婦で夕食をとった後、午後10時前に裕樹さんを連れて穴のある場所に向かった。
深夜に加え、新月で明かりが乏しく、2人は誤って頭から落下。落ちる際の悲鳴を聞いて、現場近くでスタンバイしていた友人たちがかけ寄った。「発見されたとき、2人は穴の底で足を砂から出している状態だった」(同署関係者)
同署では詳しい状況を調べているが、友人たちは善意で手を貸したとしても、刑事罰を受けかねない状況だ。
日大名誉教授(刑事法)の板倉宏氏は「(痛めつける目的で)故意で行為に及んだというのなら20年以下の懲役の傷害致死罪になりかねませんが、状況から察するに過失致死罪が問われるかどうか。後者なら50万円以下の罰金になります」と話している。

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