★【【NHK受信料】】:ワンセグ携帯も受信料は支払うべき?
2011年 08月 26日
「NHKの受信料」
払わなければならないの?
hou-nattoku
質問
以前はテレビは見ていないからと、受信料は払っていなかったのですが、新しいマンションに引っ越してから、違う集金人が来て、見てなくてもテレビがある家は必ず支払ってもらうといって、法律で支払うように決まっていると強制的に言ってきます。本当に法律上支払わなければいけないのでしょうか?
回答
NHK(日本放送協会)の受信料については、放送法32条に規定があり、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」(同条1項)とされています。
つまり、実際に視聴しているかどうかにかかわらず、受信設備(テレビ)を設置した場合にはNHKと受信契約を締結しなければならないわけです。
NHKはその公共性ゆえに、広告放送が禁止されています。その代わりに、テレビを持っている全ての人が公平に負担する受信料制度が法によって認められているのです(なお、学校や生活困窮者、災害被災者などは受信料が免除されています)。
ただ、受信契約を締結しなければならないとはいうものの、罰則規定はありませんから、処罰の対象にはなりません。もっとも、民法の一般原則によれば、NHKは受信契約義務の不履行として、損害賠償請求ができることになります。
ワンセグ携帯でも
NHK受信料を
払わなくてはだめ?
hou-nattoku
質問
NHKの受信料の問題です。テレビは家にないのでその旨を書面で提出し今まで済んでいたのですが、昨日、集金に来られた方が、パソコンもしくはワンセグ機能の携帯電話を所持していたらそれは放送法により支払が生じると言われました。
パソコンは壊れてから所持していませんが、携帯電話はワンセグ機能があるので支払わなければいけないでしょうか? また、その携帯電話は会社からの支給品で実際の名義は私の名前ではありませんが、それは関係ありませんか? 家に入れろととてもしつこく、怖かったのでまた、その方が来ると思うと不安です。教えてください。
回答
確かに、NHKの見解は、テレビを視聴できるパソコンもしくはワンセグ機能付きの携帯電話(以下「ワンセグ携帯」とします。)は、「協会の放送を受信することのできる受信設備」(放送法(以下、単に「法」とします。)32条)にあたるとして、受信契約の対象となり受信料の支払いが必要である、というものです。
しかし、その一方で、ワンセグ携帯は、「放送の受信を目的としない受信設備」(法32条但し書き)にあたるという解釈も可能です。 そして、この点に関して判断した最高最判例は未だありません。すなわち、相談者において、「ワンセグ携帯は、受信契約の対象となるという見解は、一方当事者の主張に過ぎず、ワンセグ携帯は法32条但し書きにあたり受信契約の対象とはならない」と主張し、NHK側からの受信料の徴収を突っぱねることも可能かとは思います。
ただし、近年NHKによる受信契約の未契約者に対する訴訟が数件提起されていることから、受信料の支払いを拒否し続けるとNHKから訴訟を起こされるリスクがあることも事実ではあります。そこで、もっとも穏当な方法は、ワンセグ機能の付いていない携帯電話に替えることであると考えます。一度、勤め先にご相談なさってはいかがでしょうか。
なお、携帯の名義が誰であるかは、今回のご相談の件には影響がないものと思われます。なぜなら、他人名義のワンセグ携帯を使用することは、他人から借りたテレビを使用していても、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した」(法32条)といえ、受信料を支払わなければならないのと同じといえるからです。
最後に、受信料の集金の方(NHKによると「地域スタッフ」と呼ばれる方)が、家に上げろとしつこいということですが、もちろん相談者が地域スタッフを家に上げる法律上の義務はありません。仮に、相談者の意に反して家にあがりこんだ場合は、住居侵入罪(刑法130条前段)にあたります。そして、相談者が敷地から退去を申し出たにもかかわらず、地域スタッフが退去しない場合には不退去罪(刑法130条後段)が成立します。
地域スタッフの方があまりに非常識な行為をされるのであれば、お近くのNHKの営業所にご相談されてはいかがでしょうか。
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