★【4記事+8動画】作家・深水黎一郎はフジTV騒動を分析
2011年 08月 18日
岡村&たけしの
「嫌ならTV見るな」に
ネットでは猛反発
2011.8.17
web25
俳優の高岡蒼甫が、自らのツイッターでフジテレビが韓国ドラマを再放送することについて言及し、事務所との契約を解消した事件は記憶に新しいところだが、その後もネット上では、この話題に絡む議論が止む気配が無い。著名人がこれについて発言するたびに、2ちゃんねるではものすごい勢いでコメントが書き込まれている。
11日深夜に放送されたオールナイトニッポンでは、ナインティナインの岡村隆史が「(TVは)タダで見てるんだから、見たくないなら見なければいい。何でそれをわざわざツイッターで言うのか?」と発言。この発言はネット住民の反発を招き、2ちゃんねるでは、「ナイナイ岡村が韓流批判に猛反論 『テレビは無料、見たくないなら見んなや』」というスレッドが立ち、
■「面白いテレビを見たいと思うので文句を言ってるんだが」
■「テレビで金貰ってる奴が言うことではない」
など、3日間でおよそ9000件の書き込みが殺到した。さらに15日にはビートたけしが『東京スポーツ』で「フジテレビの株持ってるわけでもないでしょ。いやなら見なけりゃいい」と、岡村発言をフォローし、今度は「たけしが高岡騒動に苦言 『嫌なら見るな』」というスレッドが立ちあがった。これには12時間ほどで1万件以上の書き込みが殺到した。
そして現在、岡村やたけしなどが唱えた「嫌なら見るな」に対する意見として盛んにとり上げられているのが、ミステリー作家の深水黎一郎氏の8月13日のツイート。14回に分けて投稿されたこのツイートで深水氏は、欧米で導入されている電波オークション制度を紹介しつつ、「放送局は電波を独占していて新規参入ができないのだから、『嫌なら見るな』は成立しない」という主旨の反論を展開した。この意見は多くのネット住民の支持を集め、
■「正論過ぎて言い返せない」
■「2chねらーの実のあるレスをキレイにまとめた感じ」
と、彼らたちが岡村&たけし説を否定する際に頻繁に引用されている。
現在、2ちゃんねるでは「フジ擁護派」のリストが着々と作成されている。しかし、深水氏は一連のツイートを「マスコミのあるべき姿をめぐる、活発な議論に発展すれば面白いと思っていたのに、何故かそっちの方向には向かっていないようだ」と嘆くところから始めており、「フジに不満をいだく側も、《ノーモア韓流》ではなく、《ノーモア偏向放送》というスローガンを前面に掲げるべき」とも指摘している。岡村やたけしまでも巻き込んだこの騒動が今後のテレビ界にどのような影響を与えるのか、ますます注目が集まっている。
「嫌なら見なければいい」
では済まないワケ
2011.8.15
getnews
俳優の高岡蒼甫さんの『Twitter』での発言によって火がついた形になった、フジテレビの韓国報道問題について、同じく『Twitter』で「フジに不満をいだく側も、《ノーモア韓流》ではなく、《ノーモア偏向放送》というスローガンを前面に掲げるべき」と、日本のメディアをめぐる問題の本質をえぐるツイートを行い話題になっています。
フジテレビは、以前から日本対韓国のサッカー戦(2010年10月)を“韓日戦”と表現するなど、数々の韓国寄り報道が指摘されていました。7月23日に高岡蒼甫さんが行った「お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば。」というツイートがこれほど大きな騒動に発展したのは、そもそもこのような背景があったためです。
しかし、問題はフジテレビが“韓国”に偏向していることにとどまりません。公共の電波を扱う放送局は、特定の国や商品、スポーツなどに偏向することも許されないはずだからです。これについて、深水黎一郎さんは8月13日に行った一連のツイートで、この騒動に関する議論を「今までわが国ではほとんどなされなかった、マスコミのあるべき姿」を問いなおすものにするための材料を提示されています。
日本の場合は「政府による配給制で、テレビ局は大昔に認定された免許そのまま、おどろくほど安い使用料で電波を独占」しているというレトロな状況。深水さんは、「新規参入はほとんど不可能」である以上は広い公共性を持つべきであるとしています。この前提に基づけば、「どこかの国のプロパガンダのような番組」や「自社がオーナーになっているプロスポーツチームを応援する番組」を流すことにも「本来大幅な制限が加えられてしかるべき」だということになります。
テレビが公共の電波である以上、「嫌なら見なければいい」では済まない問題であるということを理解したうえでもう一度今回の騒動を見直せば、この国のメディアの抱える根本的な問題が見えてきます。そしてこの問題は、送電線独占により新規電力事業者の参入を不可能にしている電力業界の抱える問題にも通じるもの。“公共”のものをどう扱うのかというテーマは、今この国が問い直し議論すべき大きなテーマなのかもしれないです。
フジテレビ論争が
幼稚になる理由
2011.8.14
yucasee
フジテレビの番組が韓流ドラマなど韓国関連の番組の偏向放送をしているとして、インターネット上で論戦が戦われているが感情論になりがち。そこへミステリー作家の深水黎一郎さんがツイッターで、冷静な論を展開している。
まずは高岡蒼甫さんの「『8』はもう見ない」というツイートに始まり、多くのユーザーやタレントを巻き込み、さらには、お台場のフジテレビ前でのデモ行進にまで発展したこの騒動。フジテレビを擁護する側の言論が「見なければいい」という意見で終始している点で、議論が成熟していかない。こうした現状を嘆いている。
まず深水さんは「今回の一連の騒動で、これを機に今までわが国ではほとんどなされなかった、マスコミのあるべき姿をめぐる、活発な議論に発展すれば面白いと思っていたのに、何故かそっちの方向には向かっていないようだ。自由競争が成り立っている業界ならばこの論理でも通用するが、放送業界は違う」と牽制した。
まず、放送免許を拾得するためには、監督官庁の総務省の認可を得て、電波使用料を支払う必要がある。TV局の場合には通信会社よりも割安で与えられている。電力会社などと同じような独占的な地位を持つ。
フジテレビの場合は音楽出版会社をグループに持ち、自社が版権を持つ楽曲などを流すという商業的な意味合いもある。ただし、日本では認められているものの、国によってはTV局が音楽出版会社を持つことを禁止されているところもある。
深水さんは「局が電波を使って自らやその子会社が著作権や商品化の権利を持っているコンテンツを宣伝するような行為は違法だということなどは、子供でもわかる論理であろう」と疑問を投げかけている。
また「今回のフジは多くの視聴者が、それが洗脳レベルに達していると感じたから騒ぎになっていることを、フジの上層部は理解しているのだろうか」と、自制を促している。
深水さんは反対派についても「ノーモア韓流」ではなく「ノーモア偏向放送」のスローガンで行く方が健全ではないか、と提言している。
「韓流が嫌なら見るな」は
間違っている
作家・深水黎一郎が
フジ騒動を分析
2011.8.17
j-cast
フジテレビの「韓流騒動」は収まる気配が見えず、ビートたけしさんら様々な有名人やタレントもこの問題について持論を展開するようになってきた。そうしたなか、ミステリー作家・深水黎一郎さんの発言内容が「わかりやすく的を射ている」などとネットで絶賛されている。
深水さんは2011年8月13日から「ツイッター」でこの問題に連日触れ、今回の騒動は「反韓流」からではなく、フジテレビ自体に問題があることが起点であり、「韓流が嫌いなら見なければいい」などの理論は通用しない、などとつぶやいている。
ビートたけしも「いやなら見なきゃいいじゃねーか」このところ有名人や芸能人のフジテレビ問題についての発言が増えている。タレントで映画監督のビートたけしさん(64)は、東京スポーツの11年8月16日付けで「韓流フジテレビ批判する方がおかしい」と書いた。ある程度の視聴率が取れるからフジは韓流を放送している。
「有料テレビなわけでもないし。いやなら見なきゃいいじゃねーかってだけだけどな」文句を言っている人はフジの株を持っているとは思えないし、フジはジャニーズばかり出演させた前例もあるから、デモをするほど騒ぐのはおかしい、というのだ。
「ナインティナイン」の岡村隆史さん(40)も2011年8月12日放送のラジオ番組「オールナイトニッポン」で、フジを「ツイッター」で批判した俳優の高岡蒼甫さんに触れ、「見なかったら見なかったでいいのよ。それだけのことやのに、それをなんでみんなに(ツイッターで)言う必要があるのかと思ってまうねん」などと語った。
マスコミのあるべき姿が問われている
ミステリー作家の深水さんの「ツイッター」での発言は、これらの意見を真っ向から否定するものになっている。まず、「嫌なら見なければいい、という論理は通用しない」と切り捨てた。そもそも今回の問題の本質は、韓流を多く放送していることではなく、マスコミのあるべき姿が問われているのだ、という。
国から放送免許を受けたテレビ局が、フジや子会社のコンテンツを宣伝するため、公共の電波を利用しているようにも見える。これが事実だとすれば、「違法であることは子供でも分かる」とつぶやいた。
これまで他のテレビ局でも「偏向放送」はあったが、ある程度は許容範囲といえた。しかし今回、デモが起こるまでの騒動に発展したのは、「多くの視聴者が、それが洗脳レベルに達していると感じたから騒ぎになっている」と解説した。韓流を差別しているという意見も出たが、むしろ差別されているのは日本人であり、「フジは人種差別をやめろ」とデモで訴えたいくらいだ、という。
深水さんが懸念しているのは、今回の騒動がレイシズム(人種主義)運動とレッテルを貼られること。決して他国や他国のコンテンツを非難するために始まったのではない。そのため「ノーモア韓流」でなく、「ノーモア偏向放送」にすべきではないか、と提案している。そうすることによってフジが放送倫理に違反している、という訴えが総務省にも届き、調査に入ってもらえるのではないか。深水さんはそう考えている。
深水黎一郎
(ふかみ れいいちろう)
1963年生まれ
小説家
深水黎一郎 (@fukamireiichiro) - Twitter
経歴・作風
]山形県生まれ。慶應義塾大学文学部卒、同大学院後期博士課程単位取得退学(仏文学専攻)。在学中に仏政府給費留学生としてフランスに留学。ブルゴーニュ大学修士号、パリ大学DEA。
2007年、『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞。「ウルチモ・トルッコ」とはイタリア語(あるいはスペイン語)で「究極のトリック」の意味で、ミステリー界に最後に残った不可能トリックである「読者が犯人」に挑戦した意欲作であった。
その成功不成功について賛否両論あるものの、島田荘司は「この被害者を殺した犯人は、ぼくだった。(中略)誰もが気づかなかった方法。このジャンルの、文句なくナンバーワン」と激賞している 。
2作目以降は正統派に転じ、2008年発表の『エコール・ド・パリ殺人事件』(講談社)は、その年の『本格ミステリベスト10』(原書房)で9位にランクインした。
また3作目の『トスカの接吻』は、『2009本格ミステリーワールド』(南雲堂)の中の「読者に勧める黄金の本格」に選出された。
4作目の『花窗玻璃 シャガールの黙示』(講談社)は、フランスのランス大聖堂を舞台としながら、その大部分を占める作中作の本文中で、カタカナを一切使わないという離れ業を演じている。ちなみに花窗玻璃とはステンドグラスのこと。
この作品には紋中紋の技法が用いられており[2]、第10回本格ミステリ大賞の最終候補作にノミネートされている。またこの年の黄金の本格にも選出されている。2011年、『人間の尊厳と八〇〇メートル』で第64回日本推理作家協会賞短編部門受賞。
作品リスト
■ウルチモ・トルッコ (2007年4月、講談社ノベルス、ISBN 978-4-06-182525-3)
■エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ(2008年2月、講談社ノベルス、ISBN 978-4-06-182585-7)
■トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ(2008年8月、講談社ノベルス、ISBN 978-4-06-182608-3)
■花窗玻璃 シャガールの黙示(2009年9月、講談社ノベルス、ISBN 978-4-06-182671-7)
■五声のリチェルカーレ(2010年1月、創元推理文庫、ISBN 978-4-488-40411-6)
■ジークフリートの剣(2010年9月、講談社、978-4-06-216453-5)
(wikipedia)
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