★香田さんはなぜイラクへ Part2
2004年 11月 16日

『香田さん「嘘がはびこっている」と四ノ宮さんに(Le Monde紙)』
フランス『ルモンド』紙10月31日付けの「Shosei Koda, 24 ans, jeune routard japonais」(香田証生、24才、日本人バックパッカー)と題する記事中に、気になる部分があったので引用して、訳を付ける。
(引用)Cette affaire bouleverse le Japon, mais la presse fustige aussi la "naivete du jeune homme et son ignorance des mises en garde des autorites, une nouvelle fois sur la sellette pour avoir envoye des troupes en Irak. Le jeune Koda voulait voir "de ses propres yeux", disait-il, ce qui se passe en Irak : "On raconte tellement de mensonges" furent ses derniers mots a un cineaste japonais rencontre a Amman avant de prendre un car pour Bagdad. 『LE MONDE | 30.10.04』
(訳) この事件は日本を動転させたが、メディアは一方で、この若者が世間知らずで、(自衛隊イラク派遣を再度批判されている)政府の警告を無視したと強く非難している。香田青年は、イラクで起こっていることを自らの目で見たい、と言っていた。バグダッド行きのバスに乗る前にアンマンで出会った日本人映画監督に残した最後の言葉は、「嘘がはびこっている」だった。
この最後の言葉は、初耳である。直訳すれば、「人々はたくさんの嘘を語っている」であり、「世の中嘘だらけだ」と訳してもいいと思う。いずれにしても、このような意味の言葉を映画監督(『ルモンド』の記事には名前が引用されていないが、四ノ宮浩さんのことだろう)に言ったという報道は、国内メディアであったのだろうか。私が知らないだけなのか、『ルモンド』の記事が間違っているのか、それとも報道規制が行われたのか。
香田さんが「嘘がはびこっている」と言ったのが事実であれば、旅行気分だとか観光目的といった非難は一切成り立たない。前回同様、政府が世論操作を行ったのか。 なお、この記事に署名のある特派員Philippe Pons氏は、4月の人質騒動の際に朝日新聞でも紹介された、自己責任論を痛烈に批判した記事を書いた人物である。
四ノ宮浩さんは、10月29日のTBSテレビ『情報とってもインサイト』に生出演していた。井筒和幸を中心とした香田さん非難に対し、四ノ宮さんが「彼は戦争(平和だったかも知れない。記憶が曖昧。)について考えたかったのではないか」と発言したが、 恵俊彰がすぐに話を戻した。山田五郎が「若いんだからしょうがない」というようなことを言いかけた時も 、恵俊彰がさえぎった。 四ノ宮さんを登場させながら、彼の発言から香田さんの行動を推察するのではなく、無鉄砲な旅行者との見方にお墨付きを与えたかったようだ。番組中、「嘘がはびこっている」という話は出てこなかった。
四ノ宮さんは映画監督だから、おそらく、ゆっくりと、情景を思い描きながら、しゃべったのだろう。そこを、軽薄な番組専属のテレヴィタレントに、話の腰を折られたのである。この『ル・モンド』の記事の電網版は、アルカイヴの以下に入っている。(省略)
http://www.lemonde.fr/web/recherche_articleweb/1,13-0,36-385194,0.html
阿修羅さんの他の記事↓
『本物のキリスト教徒なら、真実を探求するのは当然。香田さん「嘘がはびこっている」と四ノ宮さんに遺言(Le Monde紙)』この記事は強い主張が含まれているため、掲載しませんでしたが、読みたい方は上記タイトルをクリックして下さい。
「危険な目に遭わなかった」イラク訪問者の話聞き入国決断か
イラクで拉致された香田証生さん(24)が今月中旬ごろ、イスラエル・テルアビブのホテルで、昨年12月にイラクを訪れたフランス人宿泊客から「危険な目には遭わなかった」との話を聞いて驚き、イラク入りの方法を詳しく聞いていたことが28日分かった。これが入国のきっかけになった可能性がある。
この宿泊客はヨハン・ドラヤさん(27)。ドラヤさんは滞在先のイスラエル北部のキブツ(集団農場)で同日、電話取材に対し「彼はイラクへの門戸が開かれていることにとても興奮し、入国したいと言っていた」と説明。「こんなことになってとても申し訳ない。私にできることがあれば何でもしたい」と話した。
ドラヤさんは昨年12月に約2週間かけてバグダッドや北部モスルなど、イラク国内を旅行。今月に入ってからテルアビブの宿で約2週間の滞在中、毎日のように同宿の香田さんにイラクの話をし、「銃声は聞こえたが、問題はなかった」などと伝えたという。入国方法に関し、アンマンのクリフ・ホテルでイラクへ向かうタクシーを頼むことができると伝え、バグダッドではアンダルス・ホテルに泊まるよう 薦めたという。
香田さんはテルアビブの宿でイラクのニュースをテレビで見ていたといい、ドラヤさんは「治安の問題については分かっていたと思う」と話した。(共同)
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