★【【【アンパンマンの裏話】】】:アンパンマン」の暗く悲しい歌の世界
2011年 06月 13日

暗く悲しい歌の世界
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まあるい顔に真っ赤な鼻とほっぺ、「ザ・健康優良児」な印象(?)のアンパンマン。先日、そんな「アンパンマン」に関する興味深い本をご紹介したが、作者・やなせたかしが描く「アンパンマン」の歌には、実はずいぶん暗い内容が多いことをご存知だろうか。
「生きるよろこび」を説く一方には、暗く深い悲しみ「死」がついてまわるのだ。たとえば、『それいけ! アンパンマンのおもしろ音楽館』というDVDに収録されている9曲を見てみよう。すべて作詞は、やなせたかし先生ご本人。その中で、「勇気りんりん」は、終始楽しい曲だが、他の曲はたいがい暗い。
いちばん有名な「アンパンマンのマーチ」ですら、幸せや喜びを歌うのでなく、わからないまま終わる人生はいやだ、と最初から後ろ向き。根っこの部分は明るいわけではなく、ネガティブな発想からスタートしているのだ。
「アンパンマン音頭'99」では、自分の顔をたべてごらんと誘い、「顔がおいしい」とか食欲の失せるようなことを言う。しかも、彼が飛ぶ理由は「ひもじいひとを救うため」で、「何度死んでも」と軽く言ってのけるのだ。そんなこと言われちゃ、食べられませんよ。
「生きてるパンをつくろう」は、タイトルからしてゾッとするが、要はみんな食べないと死んでしまうという内容で、曲中に「ひもじい」が2回、「死んでしまう」が4回も登場。生き死にのテーマが多いのは、さすがやなせ先生、「僕らはみんな生きている」の、『手のひらを太陽に』の作詞者だけのことはある。
「ドキン・ドキン・ドキンちゃんードキンのうたー」では、ドキンちゃんが自分の名前を尋ね、知らないという相手に「気の弱いやつは気絶する」と豪語。それだけの内容なのだが、どういうわけか映像は、原住民に「生贄」としてとらえられるイメージで、今にも食われそうな緊迫感が漂っている。
「ずっこけ! ばいきんまん」では、「運がわるい」「ずっこける」「負ける」「傷ついた」と、ネガティブワードぎっしり。ナイーブな受験生のようで、扱いにくいったらない。生と死と、喜びと悲しみと、光と影と……そうした表裏一体のものを描くのが「アンパンマン」「ばいきんまん」の世界ではあるだろう。それにしても、子どもが見るには、あまりに暗く、悲しすぎる曲が多いことは、気がかりだ。


アンパンマン
『アンパンマン』(ラテン文字表記:Anpanman)はやなせたかしが描く一連の絵本シリーズ、およびこれを原作とする派生作品の総称。また、これらの作品における主人公の名前。
作品
原型作品は、1969年に「PHP」誌に連載されていた(大人向けの)読み物『こどもの絵本』(単行本のタイトルは『十二の真珠』)の第10回連載「アンパンマン」(10月号掲載)。このときは頭部も普通の人間で、ただし空腹の人のところにパンを届けるという骨子は同一だった。
1973年、これを発展させたキャラクターとして、あんパンでできた頭部を持つ「あんぱんまん」(初期の作品では平仮名で表記されており、デザインもやや異なっていた)が「キンダーおはなしえほん」(フレーベル館)10月号に登場した。ちなみに同書は、やなせ初の幼児向け絵本であった。1975年、キャラクター名を片仮名に変更した続編の絵本『それいけ!アンパンマン』を出版。
初期の作品でタイトルを平仮名で表記していたのは幼児向け作品という理由だったが、平仮名で書くのは違和感があったので後の作品では片仮名に変更したという。絵本のアンパンマンは当初、貧困に苦しむ人々を助けるという内容であり、未就学児には難解な内容で、編集部や批評家、幼稚園の先生などから酷評された。
しかし、次第に子供たちの間で人気を集め、幼稚園や保育園などからの注文が殺到するようになった。読者の中心である子供たち(2・3歳児)に合わせ、アンパンマンの体型も初期作品の8頭身から3頭身へと変わっていった。そして絵本がシリーズを重ねていくに伴い、アンパンマンの仲間や敵のキャラクターが増えていった。
2010年現在、日本では子供たちに絶大な人気を誇る国民的キャラクターの一つであり、絵本と共に「それいけ!アンパンマン」のタイトルでテレビアニメ化されているほか、アニメーション映画化、漫画化やゲーム化も多い。登場キャラクターが非常に多いのも特徴の一つで、2009年現在、全シリーズを合算すると、1500種類以上(変装も含めると2000種類以上)ものキャラクターが登場していると発表されており、その数は作者でさえも把握できないほどである。
2009年7月には1988年10月から2009年3月までのテレビアニメ放送分および2008年までの劇場版映画・同時上映作品のエピソードに登場する1768体のキャラクターがいるとして、「単独のアニメーション・シリーズでのキャラクター数」でギネス・ワールド・レコーズに世界記録認定を受けた。
アンパンマンの誕生日は、やなせたかしの誕生日と同じ2月6日であるとされている[7]。これはやなせが子供にアンパンマンの誕生日を聞かれ困ったときに自分の誕生日を言ったことに由来する[8]。また原型作品が発表された「PHP」誌が発行された10月1日、アニメ放送開始日の10月3日を誕生日とする説もある。
キャラクター等の頭は食べ物であることが多い。設定上は胴体から外れた古い顔は、新しい顔が胴体に接続された瞬間消滅する。登場人物のうち、ばいきんまん・ドキンちゃん・しょくぱんまんは『風と共に去りぬ』にならっている。ドキンちゃんはスカーレット・オハラを、ばいきんまんはレット・バトラーを、しょくぱんまんはアシュリーを下敷きにしているとのこと。但し、ドキンちゃんがしょくぱんまんを一方的に恋い慕う点は、原典とは異なっている。
アンパンマンと正義
ヒーローとしてのアンパンマンが誕生した背景には、やなせたかしの従軍経験がある。戦中はプロパガンダ製作に関わっていたこともあり、とくに戦いのなかで「正義」というものがいかに信用しがたいものかを痛感したのだ。しかし、これまでのヒーローは「正義」こそ口にするが飢えや空腹に苦しむ人間へ手をさしのべることはしなかった。
戦中、戦後の深刻な食糧事情もあり、当時からやなせは「人生で一番つらいことは食べられないこと」という考えをもっていた。50代で「アンパンマン」が大ヒットする以前のやなせは売れない作家であり、空腹を抱えながら「食べ物が向こうからやって来たらいいのに」と思っていたという。こういった事情が「困っている人に食べ物を届けるヒーロー」という着想につながった。アンパンマンと「正義」というテーマについて、やなせは端的に「『正義の味方』だったら、まず、食べさせること。飢えを助ける。」と述べている。
また別のインタビューでも、やはり「究極の正義とはひもじいものに食べ物を与えることである」と述べている。さらに主人公をあんパンにした理由を「外の皮はパン=西洋、内側はあんこ=純日本。見た目は西洋でも心は日本人である。」と解説している。かつて、たびたび起こった「顔を食べさせることは残酷だ」という批判にも、「あんパンだから大丈夫です」と冗談めかして反論していた。
空腹の者に顔の一部を与えることで悪者と戦う力が落ちると分かっていても、目の前の人を見捨てることはしない。かつそれでありながら、たとえどんな敵が相手でも戦いも放棄しない。これらの点について「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです」第1作『あんぱんまん』のあとがきよりと、自身が絵本のあとがきで語っている。
やなせは朝日新聞平成20年8月31日版の『たいせつな本』というコーナーで『フランケンシュタイン』を推し、「科学的に生命を創造するというテーマのこの19世紀初頭にかかれた傑作の影響を強くうけてぼくはアンパンマンを創作した」と述べている。
(wikipediaより)

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