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by amor1029
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★山下俊一教授(長崎大):2011年6月1日「NHK視点論点」   

★山下俊一教授(長崎大):2011年6月1日 NHK視点論点での山下教授の「福島原発事故の放射線リスク」のお話の文字起こしです(転載)・・・詳細は「知識の泉 Haru's トリビア」をご覧下さい!!/キーワード:山下俊一 長崎大学教授, 長崎大学 山下俊一教授, 山下俊一 福島県放射線健康リスク管理アドバイザー, 山下俊一 アドバイザー, 山下俊一 福島原発問題

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山下俊一教授(長崎大)
NHK視点論点
「福島原発事故の放射線リスク」
 2011.6.1

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福島県放射線健康リスク管理アドバイザー 山下氏が出演されています。途中からですが(あわてて録画したので、最初の10から20秒程度がありません。震災被災者に対するお見舞いのような内容でした)、ご覧になっていない方のために書き起こしをしました。誤字脱字、間違いがあればご指摘下さい。

注1:句点は文脈依存ではなく、ポーズを基準にして付けましたが、時間計測をしたわけではありません。
注2:「」は、強調された、と感じた語句に付けましたが、これも計測したわけではありません。
注3:[ひらがな]は、文脈より漢字が不確定な個所に付けました。




いかに健康管理と増進を図るかを論じたいと思います。

はじめに、放射線の被ばく様式には、外部被ばく、内部被ばく、全身被ばく、局所被ばく、汚染などがありますが、全てその受けた線量により健康影響が決まります。広島・長崎の12万人にもおよぶ原爆被ばく者の調査研究成果が、外部被ばくのデータではありますが、大規模疫学調査として、世界の放射線防護規則の基本となっています。


すなわち放射線の健康影響には二つのタイプがあります。

まず、急性放射線障害。これは、1000ミリシーベルト「以上」被ばくすることで、だれもが吐き気、頭痛、下痢、脱毛などの身体症状や異常が現れるもので、閾値があり、確定的影響、と呼びます。一方、晩発性放射線障害と呼ばれる、将来がんが発生する「かも」しれない可能性、リスクが高まる被ばくの場合、100から1000ミリシーベルト以上では、多数の被ばく集団と被ばくしていない集団の比較で検証することができます。


その結果、線量依存性に発癌リスクが増加することを、確率的影響、と呼びます。100ミリシーベルト以下ではこの発がんリスクは検証できません。つまり、不確実、不確定なレベルです。しかし、この確率的影響を重視し、100ミリシーベルト「以下」でも100ミリシーベルト「以上」の被ばくと同様に被ばくした線量に比例してリスクが増加する、という仮説で、すなわち、直線閾値なし仮説、という原則で放射線防護の勧告は作られています。


できるだけ可能な限り放射線の被ばくを少なくするという原則です。これは一度に被ばくした場合も、少ない量を少しずつ被ばくした積算被ばく線量が同じ値になっても、同じ線量での防護基準となっています。もちろん、生物学的には少ない量を少しずつ浴びる場合の方が、遺伝子損傷修復機能が働き、はるかに発がんリスクが低いことが容易に想像されますし、実験系では証明されています。


人類は進化の過程で、常に遺伝子損傷修復能力を獲得、発展させ、過酷な環境に適応し、命の紬を、命の絆をつむいできました。日本では一般公衆の被ばく拘束値を年間1ミリシーベルトに設定しています。通常、わたくし達は、年間2.4ミリシーベルトの積算線量ですから、このレベルがいかに問題ないレベルかは、ご理解いただけるかと思います。


人類は、過去も現在も、そして未来も、微量放射線と共存しているのです。その意味でも、非常事態における福島県では、低線量の慢性被ばくによる健康リスクを、発がんリスクとして、他のリスクの存在とも比較しながら、考えることが重要となります。福島原発事故、現場で働く作業員などは、直接被ばくの危険性が高い状況にあり、常に労災対応の準備が被ばく量として必要となります。


「しかし」、避難住民をはじめ、「大多数」の福島県民におかれましては、100ミリシーベルトを超す線量を受ける危険性はまずありません。ましてや、1000ミリシーベルト以上を浴びる確定的影響は、「全く」心配する必要はありません。唯一、放射線降下物の影響で、環境中、および土壌中の放射能、すなわち放射性同位元素である、放射性ヨウ素、半減期8日、や、放射性セシウム、半減期30年、が増加し、私たちの体へ外部、並びに内部被ばくの原因となること、が懸念されています。


しかしその被ばく量も、実際の測定を行えば、個個人の行動パターンや線量分布の多様性、さらには放射性物質特有の半減期などから、理論的な積算値よりも低い被ばく線量であろうことは容易に推測されます。今日に至るまで、福島県各地の環境モニタリングのデータは、いずれの観測地点でも減少傾向が続いています。このまま減少することを祈りたいと思います。


私自身は、チェルノブイリ原発事故で核に汚染された大地で長年仕事をし、国際機関と一緒に調査研究をしてきました。この地図で示しますように、日本と比較しても、広大な放射線セシウムで汚染された土壌に住み続け、さらに汚染されたものを少なからず食べ続け、(ママ)てきた数百万人の住民の年間被ばく線量は数ミリから数十ミリシーベルトまで幅がありますが、明らかな発がんリスク、すなわち確率的影響は今までのところ確認されていません。


守られるべきは乳幼児、子供、妊婦です。チェルノブイリでは事故後、大量に放出された放射線ヨウ素の植物連鎖による、特に牛乳の汚染による子供たちの甲状腺内部被ばくが大きな問題となりました。放射線ヨウ素の半減期が8日であり、半年で消失しましたが、100万人に年間1人というまれな小児甲状腺がんが、チェルノブイリ周辺ではその後激増し、、25年間で6000例近く、当時の乳幼児が成長した後でも、甲状腺がんの手術を受けています。


事故後に生まれた子供たちには発症せず、今日小児甲状腺がんは平常レベルです。すなわち、チェルノブイリ原発事故後の一般住民における健康影響は、事故当時乳幼児から小児において、放射線ヨウ素の内部被ばくの結果、生涯続く甲状腺がんの激増だったのです。「ですから」、今回の福島原発事故でも、放射線ヨウ素の甲状腺内部被ばくが問題となり、食の安全に向けた規制がいち早く守られたのです。


このことにより、福島県や近隣県においては、農林水産物の流通制限以外に、風評被害という大きな代償を払いましたが、幸い、放射線ヨウ素による甲状腺被ばくの要素は激減したものと推測されます。しかし、引き続き甲状腺被ばく線量再評価による検証が必要です。


次に、科学の力によるリスクの評価分析と共に、正しいリスクコミュニケーションが必要です。そしてリスクを低減、阻止するためのリスク管理に、[きせい]科学が用いられます。すなわち、白・黒はっきりしないグレーゾーン領域における、便益と不利益を総合的に判断して、リスクの受容について、政策決定がなされるのです。しかし、この決定をどう国民が受け止め、リスクをどう理解判断するかは一人ひとり異なります。これがリスク認知です。


4月12日には国際原子力放射線事象評価尺度のレベル7と、国際原子力機関IAEAに暫定をされました。これは、大気圏中への放射線物質の総放出放射線量が、チェルノブイリの約1割に相当する、ということから導き出されています。現地には、環境モニタリングと健康モニタリングの新たな拠点が「不可欠」と考えられます。


今回の教訓の一つは、放射線健康リスクにかかわる情報の過少から情報判断と方策まで、その[しんぎ]を監視し、政府の見解や指示を客観的中立的に公平無私に評価し、真に国民の信を問える、新たな被ばく量体制の整備ではないでしょうか。非常時であればこそ、平常時では発想を超えた既存の枠組みを超えた対応が必要です。


不確実で不確定な低線量の放射線健康リスクの問題、であればこそ、個人の被ばく線量再評価のために、3月11日震災直後から3月末までの、各自の行動について、記憶を頼りに早い時期に確かな情報を集め、そして風評ひょうがい(ママ)を阻止し、精神的影響を最小限とした健康管理が求められます。そのための福島県民を対象とした健康影響調査検討会も立ち上がりました。がんばろう福島をオールジャパンで支援できるよう尽力したいと存じます。



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山下俊一
やましたしゅんいち

山下 俊一(やました しゅんいち、1952年生 - )は日本の医学者。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長、同研究科附属原爆後障害医療研究施設教授。福島県放射線健康リスク管理アドバイザー。

経歴
長崎市生まれ。被爆二世。
1978年 長崎大学医学部卒業
1984年 長崎大学大学院医学研究科博士課程修了
1989年 医学博士
1990年 長崎大学医学部教授。
2003年 長崎大学永井隆国際ヒバクシャ医療センター所長を兼務
2004年12月15日 世界保健機構(WHO)環境と健康局放射線プログラム専門科学官に2年間派遣される
2009年11月5日 日本甲状腺学会理事長に就任
2011年4月11日現在、原子力損害賠償紛争審査会委員

受賞歴
1985年 米国Los Angeles Research Fellow賞
1986年 米国内科学会研究奨励賞
1986年 米国糖尿病学会Research Fund
1990年 第3回ノルディスク成長ホルモン研究奨励賞
1991年 平成2年度工藤学術財団研究奨励賞

研究分野・加入学会・研究プロジェクト
専門分野: 内分泌学(内分秘・代謝学)、環境影響評価・環境政策(核医学)、分子生物学(分子生物学)
加入学会: アメリカ甲状腺学会、アメリカ内分秘学会、日本甲状腺学会、日本内分泌学会
現在実施している研究テーマ: 放射線と甲状腺、遺伝子診断と治療、国際医療協力
・2002年 21世紀COEプログラム「放射線医療科学国際コンソーシアム」国際医療協力・疫学調査プロジェクト/緊急被ばく医療プロジェクト:プロジェクトリーダー
・2007年 グローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」拠点リーダー[7][8]

研究・著作
博士論文"Glucose Stimulation of Protooncogene Expression and Deoxyribonucleic Acid Synthesis in Rat Islet Cell Line"(ラット膵ラ氏島β細胞における糖代謝異常と細胞増殖)、長崎大学、乙第931号、1989年3月31日CiNii論文

福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとしての活動・発言
福島第一原子力発電所事故を受け、2011年3月19日に福島県知事の要請により高村昇教授とともに福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに就任、4月1日、福島県立医科大学理事長付特命教授の辞令が交付される。官邸に助言を行う原子力災害専門家グループの一員となる。(wikipediaより)




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by amor1029 | 2011-06-08 10:33 | 山下俊一 長崎大教授