★[重要] 放射性セシウム『土壌の影響Q&A』~日本土壌肥料学会
2011年 05月 31日
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放射性セシウム
土壌の影響Q&A
2011.5.11
日本土壌肥料学会
日本土壌肥料学会は、東京電力福島第1原発の事故に関連し、環境中に放出された放射性セシウムが土壌や農作物に与える影響について、Q&A形式でまとめ、ホームページ上で公開した。1960年代に行われた核実験以降、国内の土壌に微量、降下したセシウムに関する過去の研究を踏まえ、分かりやすく解説した。概要は次の通り。

降雨によって土に入る。風向きや雨の降り方によって局地的に分布する。

セシウム137は、核実験や原発事故で大気中に放出される、人工の放射性物質だ。半減期は30.2年で、長い間、影響が残る。

水田や畑の土から半分の濃度に減る時間は、水田作土で9~24年、畑作土で8~26年だ。半減期の30年よりも早いのは、作物が吸収したり、土の深い部分に移動したりするからだ。ただ、期間は土の性質によって異なる。

土のカリウム濃度が高いほど、根からの吸収量が少なくなる。カリウムを与えないと吸収量が増え、堆肥を畑に入れると減ったという報告がある。

土から作物へ吸収される量を示す値を、「移行係数」という。土から白米への移行係数(白米1キロ当たりの放射能濃度/土壌1キロ当たりの放射能濃度の比)は0.00021~0.012だ。数値に幅があるのは、土の性質や畑に入れる肥料によって変わるからだ。政府が「移行の指標」として用いる0・1という値は、大きく見積もり、安全に配慮したものと考えられる。

セシウムが分布する割合は、部位によって違う。どの部位を食べるかで、体内に取り込むセシウムの量も異なる。稲では、吸収するセシウム全量の12~20%が玄米に移動する。ぬかに高濃度にたまるため、白米の方が玄米より30~50%ほど、濃度が低い。

白米だけのセシウム濃度は、植物体全体を食べる葉菜類より小さいためだ。稲が吸収したセシウムのうち、白米に運ばれるのはわずかな量で、濃度は低い。

実証的なデータはないが、好気的な管理によって、セシウムの水稲への吸収を抑制できる可能性はある。
稲の最高分けつ期前後までは、水田土壌中で生成するアンモニウムイオン量が多くなるため、土壌の分子の中に閉じ込められているセシウムが同イオンに追い出され、作物に吸収されやすい。したがって、中干しなどの好気的な水管理をし、アンモニウムイオンが早く硝酸に変わるよう促せば、セシウムが追い出されにくく、作物が吸収しにくいと考えられる。
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