★硫酸で失明のイラン女性、手術代と引き換えに「報復刑の免除希望」
2011年 05月 23日

硫酸で失明のイラン女性
手術代と引き換えに
「報復刑の免除希望」
2011.5.23
excite
[テヘラン 21日 ロイター] イランのシャルク紙は21日、女性の顔に硫酸をかけて失明させたとして、同じ方法で視力を失わせる刑が確定していた男性について、この女性が手術代200万ユーロ(約2憶3000万円)の支払いと引き換えに刑執行の免除を希望していると伝えた。
2004年に発生したこの事件では、マジド・モバヘディ受刑者が、プロポーズを拒否されたことを理由にアメネ・バハラミさん(当時24歳)の顔に硫酸をかけ、両目を失明させた。バハラミさんは同受刑者に対し、同様に硫酸をかけて失明させるよう求め、2008年に刑が確定。
しかし、刑の執行は予定されていた先週になって延期されていた。理由は明らかになっていない。バハラミさんはシャルク紙とのインタビューで、執行延期の決定には関わっていないとした上で、スペインで受けている顔の手術が終了するまで刑を執行しないでほしいと述べた。
また、同受刑者が200万ユーロの手術代を肩代わりするならば、刑執行に対する考えを見直す準備があることを明らかにした。
モバヘディ受刑者の弁護士は、バハラミさんの申し出について感謝の意を示し、「経済的に安定した生活を送るため、200万ユーロを大きく超える額を要求することはアメネの権利だ」と指摘。その一方で、同受刑者の家族がその額を支払うことは非常に困難だとの見解を示した。
刑の執行をめぐっては、人権団体アムネスティ・インターナショナルが停止を求めるなど、世界で大きな注目を集めている。

「両目に硫酸」報復刑の執行延期
イラン、批判考慮か
2011.5.15
asahi news
イラン司法府は14日、女性に硫酸をかけて失明させたとして、同様に視力を失わせる判決が確定していた30代の男性に対する刑の執行を取りやめた。イスラム法の同害報復刑(キサース刑)と呼ばれるもので、国際社会の批判を考慮して延期したとみられる。
報道によると、男性は大学時代、同級生だった女性に求婚して断られ、2004年11月、顔に硫酸をかけて両目を失明させた。
テヘランの裁判所は08年11月、「男にも苦しみを与えたい」という女性の訴えを聞き入れ、男性の両目に硫酸をたらして失明させる判決を言い渡した。最高裁もこれを支持。刑は14日に執行される予定だったが、イラン学生通信は直前になって「延期された。執行日は未定」とする司法府関係者の話を伝えた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは13日、「冷酷で非人道的」として停止を求める緊急声明を発表していた。
*キサース刑は、被害者が受けた損傷と同程度の報復を加害者に科す刑罰。殺人や傷害事件で、遺族や被害者が望んだ場合に適用される。失明の報復として適用されれば国内でも初の例になるとされていた。(テヘラン=北川学)

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