★恋愛~『メールで拒絶される』ということ
2010年 11月 18日
ということ
2010.11.16
excite
好意を抱いている人とのメール交換は楽しいものです。メール回数を重ねることで親しみを抱く「回数派」の人は一日中、相手にメールを送るタイミングを考えることもあるでしょう。また、メールの文面を深く考える「内容派」の人は、行間を含めて考え込んだりするでしょう。どちらであっても、メールは、相手とのつながりを実感する手段なのです。
ところが、好意を抱く人とのメールのやりとりが突然、終わってしまうこともあります。みなさんは経験がありませんか?「もうメール交換ができない」と思う最もわかりやすい場面は、メールアドレスが変更されたときです。たとえば、携帯電話の機種を変更するタイミングでメールアドレスを変える人がいます。この場合、機種変更と同時に、過去の付き合いを整理するのです。連絡を取り続けたい人には変更後の番号やメールアドレスを伝えます。もうこれ以上つながっていたくない相手には変更後は何も教えません。好意の程度が深いほど、つながらなくなったショックの度合いも激しいものになります。
09年8月、東京都・新橋で、耳かき店に務める女性が、常連客だった男に殺害された事件がありました。私は気になって裁判を傍聴しました(被告人は大筋の事実関係は認めていますが、殺害に至る経緯については、検察側と弁護側と主張が違っています)。
被告人が女性に対して怒りを覚えるきっかけは、09年4月、店内でトラブルがあり、メールで被告人が謝罪します。しかし、女性からの返事は「もう無理です」というもの。何度も問いただしますが、それ以外の返事がありません。その後、しつこいと判断したのか、女性はメールアドレスを変えたのです。被告人は悩みました。
「恋愛感情があったのですか?」
被告人は検察官にしつこく聞かれました。金曜から日曜までの週3日で20時間以上も、せまい空間で過ごし、08年から09年の年末年始には連続9日間、長時間の指名予約を入れていました。一人暮らしが長い被告人は、休日には毎週のように会い、金曜日の仕事終了後の余暇を全部使っていました。
他人からみれば、「恋愛」だと思われても仕方がありません。被告人は恋愛感情を否定し、「広い意味では好きでした」と証言しています。しかし、弁護側は「店内という限定されたものであったが、恋愛感情があった」と分析しています。いわゆる疑似恋愛のことでしょう。
被告人の喪失感は想像できますが、通常ならば、そこで「あきらめる」という選択をするはずです。決して、ストーカー行為や殺害行為は許されるものではありません。ある30代男性も、ふられた女性に殺意を覚えたことがあるそうです。「好きな人ができたの」とメールで言われただけだったからです。彼は彼女に尽くし、金銭的な支援もしていたのです。時間とお金、気持ちまで彼女のために費やしていたのです。それなのにそっけないメールだけでふられたことが我慢ならないのです。
似たようなことは、私も経験があります。しかも、メールアドレスだけでなく、電話番号も変わっていました。その相手は、指名を何度も繰り返し、誕生日のイベントも行ったことがあったキャバクラ嬢でした。ある日、メールアドレスが変更され、届かなくなりました。もちろん、好意は抱いていました。恋愛感情ではありませんが、疑似恋愛に近い感情だったように思います。そのためか、心に穴が開くような空虚感がありました。失恋に似た感覚です。
メールが突然途絶える
どんな相手であれ、喪失感を抱くきっかけとなるでしょう。しかし、その喪失感で我を見失わない方法は、そうした話題ができる友人を作ったり、「他の選択肢もある」といった考え方をすることでしかないのかもしれません。私の場合も、相談相手がいたのです。孤独を回避することは、喪失感を味わいながらも、冷静な対応ができる第一歩になるのです。
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