★本家iPadに劣らぬ斬新さ!“パチモノ”4大ポイントとは?
2010年 10月 06日

“パチモノ”4大ポイントとは?
2010.10.5
zakzak
本国アメリカのほか、日本やイギリス、ドイツ、フランスなどで販売され、全世界での出荷台数は年内に1000万台に達するとの予測も出るなど、依然好評を博しているiPad。そして9月17日には、ついに中国でもWi-Fi版が発売になった。しかし、かのパクリ先進国・中国では、デザインや使用方法がiPadそっくりの、“パチモノiPad”とも言うべきタブレットPCがすでに本家をさしおいて次々と誕生し、話題を呼んでいるのだ。
そこで今回、数あるパチモノのうちの一つで、アンドロイドOSを搭載した「iRobot」(またの名を「aPad」)を中国広東省の海賊DVD店にて現地調達。中国での本家iPad発売のこのタイミングで、改めて比較を試みた。ハナから勝ち目などないだろう…と考えていた小誌だが、いじくり回すうち、意外なことが判明。この製品は“iPadにいかに似せるか”ということを度外視した、なかなか斬新な製品だったのだ!

Point 1
まず、何が斬新なのかといえば、その大きさだ。寸法はちょうどiPhoneとiPadの中間に位置する7インチ。ときに「大きすぎる」との批判を受けることも多いiPadに対し、これならジーパンの後ろポケットにだってすっぽり入ってしまう。一方、iPhoneと比べると、液晶画面の大きさは3倍ほど。長時間に及ぶテキストデータの閲覧だって苦にならない。
さらに同じくiPadユーザーから不満が多い「重さ」に関しても、iRobotは340gと、iPadの680g(Wi‐Fiモデル)のちょうど半分という軽量化を実現。これなら、女性でも片手で難なく持ち続けることができる。
例えば、満員電車の車内で、端末に保存した仕事関連の資料を見ながら通勤する…というシチュエーションを考えた場合には、iPadよりもiRobotに使いやすさの軍配が上がる!?

Point 2
また、iRobotにはiPadにはない、機能がついている。例えばウェブカメラ。Fringなどのアプリを利用することで、ビデオチャットができてしまうのだ。iPadでもカメラを外付けすればビデオチャットをすることはできるが、あくまで机などに置いて使用するのが前提。片手で端末を持ちながら、片手でキーをタイプするという使い方は困難だ。
さらにiRobotは付属の「トランスファー・ボックス」なるアダプターによって、有線LAN接続が可能! 実はこれ、出張や旅行中にはかなり活躍するシロモノだ。ホテルの客室のインターネットサービスは、無線ではなく有線であることもしばしば。LAN端子を備えていないiPadの場合、無線LANルーターを携行していなければインターネットに接続することができないが、iRobotならその心配もない。

Point 3
iRobotのトップ画面からは、オリジナルとおぼしきアプリケーション・ストアにアクセスができる。ストアといってもすべてのアプリは無料。金融情報ツールや電子書籍など、さまざまなコンテンツが用意されている。それらの多くは中国語で表記されているのが難点だが、言葉がわからずとも利用できるのがゲームアプリだ。なかにはパリス・ヒルトン風の白人女性のセクシー画像を用いた間違い探しゲームや、パズルの要領で女性を裸にしていく脱衣ゲームなど、一昔前のゲームセンターを彷彿とさせるような、微妙なエロコンテンツも。
女性のビキニ姿さえも禁止、という厳しいアダルト規制を敷いた本家アップルの哲学も何のそのの、あっぱれな姿勢である。
Point 4
ところで、iPadユーザーには、最新ガジェットを使いこなし、周囲の注目を浴びたいという目立ちたがり屋も少なからずいるのではないだろうか。しかし、公衆の面前でiRobotを使用しているときの注目度たるや、iPadの比ではない。記者がラッシュ時の山手線で同機を使用していたところ、周囲からの“熱い視線”を痛いほど感じた。とはいえ、それは「あのiPhoneとiPadの合いの子みたいなのは何だ?」といった奇異の眼差しだったのだが…。
ただ、5分も使用していると本体がかなり熱を持ってくる、画面についた指紋がやたら目立つ、画面液晶が微妙に歪んでいる-などなど、至らない点を数え上げればキリがないことも確か。しかし、実売750元(1万円弱)という、iPadの5分の1ほどの価格で、天下のiPadをパロディにしてしまうあたり、何だかカワイイ存在に思えるのだった。
冒頭で述べたとおり、今回メインで紹介したiRobot以外にも、中国にはパチモノiPadが数多く存在する。「P88」(日本名「ioPad」)は、本家iPadよりも1年も前に発売され、アップル社に対し「パクリはお前だ」とばかりに法的措置をちらつかせて話題に。また、比較的最近発売された「lエルPad」は、リンゴのマークを掲げながらWindowsを搭載、価格も4万円ほどと本家に引けを取らないハイスペックなパクリマシンだ。このように、今やパチモノiPadは、中国でひとつの市場すら形成するほどになっている。
「パチモノ製品を中国では山さん塞さいと呼びますが、決してコピー製品ではない。その証拠にiPadと間違って買う人は皆無ですし、『本当はiPadが欲しいけど安いほうで我慢しよう』という人もいません。言うなれば“ジョーク商品”のような扱いなんです」そう語るのは、携帯電話ジャーナリストで中国の山塞事情にも詳しい山根康宏氏だ。
「これらは国内外のマニアが面白がってごっそり買っているのが実状です。だからメーカー側も単に正規品をコピーするのではなく、山塞マニアに支持される製品を開発している。ある意味、中国式のオリジナリティといえるかもしれません。そもそも実用性はあまり重要視されないので、性能的に問題のある製品も多いのですが、彼らのようなマニアに買い支えられるうち、品質がかなり改善された山塞品が登場しているのも確かです。このままいけば、世界中で実用的な中国製タブレットPCが使われる日も遠くないかもしれません」中国のパチモノパワー、恐るべし!?

最新のトリビア記事