★小学校を疑似体験できる居酒屋~「個室居酒屋 6年4組 渋谷第一分校」
2010年 10月 06日

個室居酒屋 6年4組
渋谷第一分校
2010.10.5
excite
たまの休みに教育テレビを観てみると、スゴク面白い。あの頃はイヤだった学校の勉強が、大人になった今はこんなに楽しいのは何故だろう。思わず、湧き上がるノスタルジー。そんな郷愁を、思いっきり満たしてくれる“居酒屋”がある。それは東京都渋谷区にある「個室居酒屋 6年4組 渋谷第一分校」のこと。
このお店、アトラクション(?)があまりにも盛りだくさんなので、以下の体験リポートを読んで疑似体験していただきたい。まず、店舗のあるビルに到着。そしてエレベーターで5階に辿り着くと、イキナリ現れたのが「下足室」。その先にある廊下には、小学生が書いたと思われる習字なり、絵画なり、テスト用紙なり……。そのサマが、あまりにも学校。また、折り紙の輪っかによる飾り付け(学芸会仕様)が鮮やかで、訪問客のテンションを否応なし上げてみせる。
飲食のスペースはすべて個室になっているのだが、それも普通じゃない。たとえば、シャンデリアやソファがゴージャス極まりない一室。いいなと思ったら、実は「校長室」だった……。
他にも、日本地図や月間予定表が掲示されている部屋は「職員室」。骨格の解剖図が貼ってある「保健室」、ベートーベンなどの肖像画が貼られた「音楽室」、プラネタリウムのある「社会科見学室」、黒板や学習机の連なりがホッコリさせる「6年1組」などなど。
それぞれの個室に用意されているお品書きも、まるで出席簿みたいなルックスをしているから、細部までソツがない。
そして、店員さんの格好はなんと“ジャージ”。それも、現代のお洒落ジャージじゃない。胸に名札をつけて、いわゆる「体育の時間」みたいな雰囲気で。また、学校は「学び舎」である。勉強を忘れちゃいけない。だからこそ、お客さん全員には「抜き打ちテスト」が実施される。
科目は曜日ごとに分けられており、月曜の“国語”、火曜の“算数”とオーソドックスなものから、金曜の“総合”、日曜の“期末テスト”など、児童の我々は気が抜けない。ただ、もし満点を獲得するとステキなご褒美が貰えるというから、モチベーションも上がる。文武両道で頑張って行こうじゃないか。
肝心のメニューも、小学校にまつわるものが多数。あげパン(294円)、ソフトめん(399円)と、給食の定番がタマらない。しかし、これだけでは終わらない。「理科のお勉強」(1,029円)は、オレンジジュースの入ったフラスコとカクテルが入った4本の試験管が用意されており、スポイトを用いてカクテル作りのお勉強を。「理科の実験 チョコッとバナナ」(525円)は、アルコールランプの上にチョコの入ったビーカーを乗せ、溶かしながらいただく“チョコレートフォンデュ”になっている。
この居酒屋、今年の4月1日よりオープンしているのだが、このような形態でオープンしたキッカケは? 同店に伺ってみた。「ウチの社長が考えついたんです。『昔ながら(昭和34年当時)の島根県益田市の小学校の形にし、その中でお酒が飲める居酒屋なら面白いんじゃないか』と、出店いたしました」(担当者)大人だからこその郷愁が、このアイデアの源泉だろうか。
そんな店舗だからこそ、30~40代のサラリーマンの来店が多いかと思いきや、「場所柄、20代の若い方が多いですね。“教室に机がある”という内装に、皆さん喜んでいらっしゃるみたいです」(担当者)店内に貼られているテスト用紙・習字・絵など諸々は、スタッフの子供さんたちによる本物だという。思わぬところに散りばめられた、こんな“リアリティ”も大人たちを喜ばせるポイントだろう。
日々の仕事に疲弊した時、小学校の校庭で遊んでいる子供たちを見て、思わず癒されたことがある。それと同様のヒーリング効果が、この店にはあった。タイムスリップしたのか、いまだモラトリアムなのか、“ホッコリ”させてくれます。

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