★2010年度エンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー・コンテスト入賞作品
2010年 10月 01日
エンバイロンメンタル・フォトグラファー・
オブ・ザ・イヤー・コンテスト入賞作品
(nationalgeographic)

自然の世界部門最優秀賞
「空中のにらみ合い(Fly to Eye)」
ハチドリとにらみ合うグリーン・ビットバイパー(ハブの仲間)をとらえたハンガリー人の写真家ベンス・マーテー氏の作品。

21歳未満部門最優秀賞
「占い師(The Fortune Teller)」
まるで水晶玉に問いかける占い師のように、ハエが水滴を撫でる。ブルガリア人のラドスラフ・ラドスラボフ・バルコフ君が自宅の庭で撮影し、2010年度ヤング・エンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー21歳未満部門で大賞に輝いた。
バルコフ君は記者声明の中で、「初めは最終選考に残ったというだけでとても驚いた。国際的に権威ある芸術賞を受賞するのは初めてで、結果を知った時は本当に嬉しかった」と受賞の心境を語った。

総合最優秀賞
「エイの飛行(Flight of the Rays)」
メキシコ、バハカリフォルニア・スル州沖のコルテス海で2009年に撮影されたイトマキエイの仲間ムンクス・デビルレイの群れ。この航空写真が、2010年度エンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーの「水中の世界」部門で最優秀賞となり、総合最優秀賞も獲得した。
撮影したドイツ人写真家フローリアン・シュルツ氏によれば、移動するクジラの群れを上空から探している際に偶然エイの大群に出くわし、その巨大さを初めて知ったという。
この写真の構図も、おそらく群れの大きさと同じくらい珍しいものだ。「エイが水面から飛び上がる姿をとらえることができた。同時に、エイが何層にも重なり合う様子も水中撮影と同じくらい鮮明にわかる」。
ムンクス・デビルレイを国際自然保護連合(IUCN)が準絶滅危惧種に指定している理由の一つに、見えにくいカーテン状の網で魚群を一網打尽にする刺し網漁がある。この写真のようなエイの群れを見れば、「たった1枚の網で無数のエイを捕えられることが容易に想像できる」とシュルツ氏は話す。
この受賞作を見た海洋生態学者ジュゼッペ・ノタルバルトロ・ディ・シアーラ氏は、1枚の写真の中にこれほど多くのムンクス・デビルレイが力強く生きていることを目にした喜びを書きつづった電子メールをシュルツ氏に送ったが、その喜びの大きさもこのエイの置かれた現状を物語っている。ディ・シアーラ氏は1987年にこのエイの発見に関わった1人だ。
ロンドンに本拠地を置く環境機関、英国公認水と環境管理協会(The Chartered Institution of Water and Environmental Management、CIWEM)が主催するエンバイロンメンタル・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー・コンテストは、「環境問題と社会問題への意識を高める」写真を撮影した写真家をプロアマ問わず表彰する。今年度は世界97カ国から4500点を超える作品の応募があった。

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