世界初の『CSI:犯罪現場の昆虫たち』展示会とは?
2004年 09月 16日
2003年10月、米ミネソタ科学博物館で『CSI:犯罪現場の昆虫たち』(Crime Scene Insects)と名付けられた世界初の展示会が開かれた。
急成長を続ける法医昆虫学という分野を、さまざまな角度から紹介している。昆虫がどのように事件を解決したり、殺人犯を法廷に引き出したりすることができるのかがわかるようになっているのだ。
再現された犯罪現場をはじめ、死体腐敗の5段階の紹介、死体保管所の2つのケースには、模型の死体が1体ずつ入っており、1つは死後直後で虫が鼻などの開口部から死体にもぐりこむようすを示しており、もう1つは腐敗が進んだ状態を、うじ虫が食い荒らしていくようすを胸の上のビデオスクリーンで見せながら紹介する、リアル過ぎるほどだ。
死体についた虫の種類やその成長段階で、被害者の死亡時間を決定にも役立つ。また、死亡原因、殺害された場所、麻薬や毒物などが使われたかどうかなどを探る手掛かりも与えてくれるのだ。
クロバエ科のハエは、死後10分以内に死体に卵を産みつけはじめるという。殺人がどこで行なわれたとしても、ハエの卵はうじ虫、さなぎ、ハエと変態を続けていくのでその経過から死亡時間の推定ができる。またハエの種類によって、殺人から遺棄の移動も推察できたりするのだ。