納豆サイエンスーかき混ぜ回数とダメにする食べ合わせ
2004年 07月 10日
農林水産省食品総合研究所における実験で、納豆のアミノ酸と甘味成分はかき混ぜる回数が多いほど増えるという結果がでました。
(混ぜる前をそれぞれ1とする)
アミノ酸の量
100回・・・・・・1.5倍
300回・・・・・・2.5倍
300回以上・・300回と変わらない。
甘み成分
100回・・・・・・2.3倍
200回・・・・・・3.3倍
400回・・・・・・4.2倍
(上記の結果から(たれを入れず)300回ほどかき混ぜることが好ましい)
納豆には、ビオチンという栄養素が含まれいて、脱毛、白髪、皮膚病などに効果があリます。しかし、ビオチンの唯一の天敵が生卵なんです。卵の白身に含まれるタンパク質のアビジンが胃でビオチンと結びつき、腸でビオチンの吸収を妨げます。なので納豆に生卵を合わせる時は卵黄だけをかけるようにして下さい。残った卵白は味噌汁に入れて食べることを勧めます。加熱調理すればアビジンのビオチン阻害作用が消えますので。
納豆に含まれる、心筋梗塞や脳硬塞の起因となる血栓を溶かす酵素で、その効果は8時間も持続します。血栓予防には1日100~200gの納豆食で良いとされています。(ちなみに心筋梗塞の発作時に投与されていた血栓溶解剤「ウロキナーゼ」など30分程度の効果しかなく、一回の投与で20~30万円もします。)
ナットウキナーゼやビタミンKが多い!!
納豆の糸は発酵によってできるものなので、よく糸を引く納豆は、同じく発酵でうまれるナットウキナーゼやビタミンKも多くなっています。また、一般的は、粒が小さいほうが発酵が進みやすいので、大粒の納豆に比べるとひき割りや小粒の方がナットウキナーゼやビタミンKは多く含まれます。しかし、よくかき混ぜて粘り気を増やしても、ナットウキナーゼの量は増えません。(かき混ぜて増えるのはアミノ酸と甘味)
ナットウキナーゼは70℃以上の熱を加えると壊れてしまいます。ただし、熱に弱いのは純粋なナットウキナーゼの状態での話で、納豆の中に含まれるナットウキナーゼは、ネバネバや大豆に保護されているので、ナットウキナーゼだけの状態よりは熱に強いと考えられています。だからといって、あまり加熱するとやはりナットウキナーゼの効果はなくなってしまいます。
加熱し過ぎない工夫としては、納豆汁を作る際に、加熱を止めてから納豆を鍋に入れたり、納豆を鍋に入れないで、お椀に先に納豆を入れておいて、あとで汁をかけるというようにする方法もあります。
納豆のナットウキナーゼは熱には弱いのですが、低温には強いので冷凍で保存しても効果は落ちません。冷凍保存であればかなり長持ちしますが、やはり風味などが落ちてしまうので、1~2か月を目安に食べましょう。
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