★放射能爆弾『ダーティ・ボム』感知ポケベルは有効か?
2004年 11月 11日
感知するポケベルの普及を進めるアメリカ
(hotwired)
「周辺に放射能を検知。警戒せよ!」
このポケベルは、放射性物質を感知すると、警報音またはバイブレーションで知らせる仕組みになっているおり、同時多発テロ以降、税関や国境警備職員、警官、消防隊員など「緊急の対応者」にとって日常携帯品となっている。
この放射能感知ポケベルは、すべての種類のダーティーボムに効果があるか、完全には検証されておらず完璧なものではない。必要のないときに警報が鳴ったりもする。また、価格は1台1500~2500ドルとかなり高価だ。
連邦政府は2002年ニューオリンズで開催のスーパーボウル会場で、このポケベルを使用した。今年(2004年)1月には、元旦に大きな行事を行なう都市の警察当局に、政府が1000個のポケベルを配布したと、米ABC放送が報道している。
1990年代後半に出回り始めた。
放射能感知ポケベルは1990年代後半に出回り始め、同時多発テロ以前の使用者は、爆弾処理班の人員にほぼ限られていた。この頃のポケベルは近隣の放射線レベルを推計するというものだった。
サンディエゴ郡爆弾処理班の責任者コンラッド・グレイソン巡査部長は、ある日、オフィスにいると、放射能探知ポケベルの大きな警報音が響いてびっくりしたことがあった。結局この原因はオフィスに訪ねてきていた同僚の息子が、放射線治療を受けた直後だったことが判明した。
また、『サンディエゴ・ユニオン・トリビューン』紙は、ニューヨークのウェストチェスター郡で、オハイオ州から運搬された2トンのゴミが到着した途端、放射線感知器が作動したと報じた。原因は、甲状腺の病気で放射線療法を受けていた猫が使っていたトイレ用砂だったという。
ポケベルを作動させないわけにも・・・。
ブルッキングズ研究所の特別研究員、テロを研究対象としているマイケル・A・リービー氏は、「本当に問題が起きたときに、スイッチが切ってあって役立たなかったということになりかねない。完璧ではないとしても、警察当局での放射能探知ポケベルの使用が拡大することにはお飾りでない効果がある」と。また、「感知器の反応がなければ問題はないと決めつけるべきではない」と注意を喚起している。
ウェイン州立大学のアレン・W・バトー氏は「ダーティーボムは四六時中心配しなければならないようなものではない」と。「まず、放射性物質を入手手だてが必要になる。使用済みの医療用物質など、管理不行き届きで出回る放射性物質がないわけではないが、化学兵器のほうがよほど簡単に作れる」と述べている。
一方、ワシントンDCにあるカーネギー国際平和財団で兵器不拡散プロジェクト責任者、ジョセフ・シリンシオーネ氏は、テロリストがこれまでダーティーボムを使用しなかったことが不思議なくらいだと語る。
「テロリストは自動車爆弾やトラック爆弾に精通しており、こうした爆弾に放射性物質を加えるだけで、直接の死傷者が多くでなくても、恐怖心を煽る(あおる)ことができる。また爆薬の入手は容易く、放射性物質の入手も米国内で手に入れられるところはいくらでもあり、テロリストたちがなぜまだこの手段を使用しないのが不思議だ。」と言う。
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