★【心霊写真つき】:霊を挑発する男たちの無謀な挑戦
2011年 06月 18日
霊を挑発する
男たちの無謀な挑戦
2011.6.17
spa
幽霊は本当にいるのか?
遊び半分に心霊スポットに行って祟られたという怪談はよく聞くが、本当に心霊スポットで「罰当たり」な行動をすると、何が起きるのか????
幽霊を信じる人も信じない人も、わざわざ心霊スポットで不謹慎なことなどしないだろう。テレビの心霊番組だって、自称霊能力者同伴のもと、事前にお祓いをしたり、お札やお守りを持って撮影に行っており、言わば「守られた」状態で撮影されている。
そんな庇護された心霊番組に対するアンチテーゼか、全国から集められたた実話怪談を集めた『新耳袋―現代百物語』で描かれた心霊スポットに、身体を張って直撃し、「心霊を挑発」することで幽霊との接触を試みる、無謀な男たちがいる。
怪談シーズン目前の今、Gメンのメンバーであり、『新耳袋殴り込み』シリーズ著者のギンティ小林氏に、彼の体験した恐怖とその「殴り込み」活動について直撃してみた!
「殴り込み」の条件は「ノーお守り」「ノーお祓い」
今までも、UFO基地や闇組織のアジトと様々な憶測が飛び交う“山の牧場”(関西某所)や、遭難した陸軍兵の幽霊が出ると言われる“八甲田山”(青森県)、九州最大の心霊スポット“犬鳴トンネル”(福岡県)など、いろいろなところに“殴り込み”をかけているギンティ氏だが、初めて心霊現象を体感したのはいつだったのだろうか?
「“山の牧場”を探している途中で僕が森で遭難しかけたり、撮影終了後帰宅してから身体が調子悪いとか怖いことは何度もあったんですが、初めて“これはヤバい”という映像が撮れたのはK観光ホテル廃墟という有名な心霊スポットでした。その時の映像は、映画『怪談新耳袋 ノブヒロさん』のDVDに特典映像で収録されているんですが、ホテルに入ったときの僕の顔が溶けているように映っているんです。あとで心底恐ろしくなりました」
その後も、やらせ一切なしで怪奇現象をカメラに収めることに成功しているギンティ氏だが、それには彼らなりの“特殊な手法”が関係しているという。
「心霊スポットに行って“何も撮れませんでした”じゃ話にならないんですよ。それこそ、ラーメン取材に行って店が休みでしたみたいな話ですよね? その上、霊能力者とかもいないから、見えないものを見えると説得力を持って言う人もいない。だから、まず最初の条件として、霊に活発になってもらおうと考えたんです。そのため当初からお守りやお札の類は一切持たず、事前にお祓いをするのもなしで行くことにしていました」
確かに、心霊スポットに行くのに霊を避けていたのでは元も子もない。この逆転の発想が功を奏して、怪奇現象との遭遇率は上昇する。
「さらに、霊を起こすためには僕らが積極的に祟られるくらいのつもりで、言わば僕らは霊を釣るためのルアーみたいな感じで行こうとなったんですね。その結果、“霊を挑発”することになったんです」
霊を挑発する……。
果たしていったい何をするというのか?
「例えば、心霊スポットにラッパーを連れて行って、ビーフ(ラップ用語で敵対ラッパーを罵倒すること)を仕掛けたり、殺人事件があった現場でその事件の記事を読み上げて霊に語りかけたり。八甲田山では軍服を着て一人で雪中行軍したこともありますし、今回公開される『怪談新耳袋殴り込み!<関東編>』では、戦国時代に戦で負けて女性や子供が身を投げた滝で、真冬にフルチンで滝に打たました……。“入ってはいけない場所に入ったら祟られて犬のようになった”と言われた某所に入ったときは、あえて犬のマネをしたこともあります。地元のヤンキーは心霊スポットに詳しいんですが、“あそこでアレをするとヤバい”と彼らが言っていることを敢えてやったりもしましたね」
まさしく罰当たり。心霊の存在を信じない人でも、ちょっとそれはと二の足を踏みそうな行為である……。 この恐ろしい行為で、さまざまな怪異を現地でリアルタイムに体感し、カメラに収めていくのだ。
史上初! 樹海で自殺した霊に出演交渉
「『怪談新耳袋殴り込み!劇場版<関東編>』で殴り込んだ場所の中で特に恐怖を感じたのは、世界でも有数の自殺の名所である青木ヶ原樹海での体験です。ここでは、『樹海を彷徨う霊とお泊まり会』というミッションにチャレンジするため、待機場所であるベースキャンプに滞在し、食事のときは一人ずつベースキャンプから100m離れたところにある過去に自殺があった現場付近のテントにおにぎりを食べに行くということにしていたんです。霊とサシで飯を食うってことですね。しばらくそうしていたんですが、そこからさらに奥にある別の自殺現場に行こうということになって、より寂しい場所に移動したんです。現地に着いてからライトをすべて消しました。漆黒の闇が僕らを包む中、何もしないのもなんなんで、僕は霊に話しかけたんです……」
あまりに寂しい場所で孤独に自殺した霊に、ギンティ氏は何を話しかけたのか?
「ライトをすべて消したそこは、そこは本当に寂しい場所でした。僕自身、不安に押しつぶされそうなくらい。そこで、“こんな場所で亡くなって寂しくありませんか? 華やかな銀幕の世界に出てスターになりませんか?”って話しかけたんです。そしたらカメラを回していたスタッフの一人が“今、ギンティさんの横に寒天のようなグニャっとしたものが見えた”と言い出したんです。あとでカメラを見てみると、確かに僕の横になにか灯りを持って歩いているような影が写っていたんです」
地元の案内人が「絶対映る」と断言した場所で……
全国30か所近くの心霊スポットに殴り込みをかけたギンティ氏だが、地元で案内を頼んだ人物が「100%映ります」と断言した場所もあった。
「それは沖縄です。『琉球怪談』という沖縄の現代怪談を集めた本を出されている小原猛さんに案内していただいたのですが、そこで彼が“絶対に映りますよ”と断言した場所があったんです。沖縄はユタなどもいるし、霊的なものについてもかなり鋭敏な土地です。さすがに僕らも“挑発すらも必要ない”ということで、何もしませんでしたが、そこはオーブ(狐火)どころじゃない、もう霊の撮影会みたいな感じになりましたよ。その時の写真がこれです」
これからも祟りをも恐れず、罰当たりで不謹慎な殴り込みを続けるというギンティ氏。
「正直、僕らのようなことをするのを普通の人が真似するのはお勧めしません。霊感など一切ないですが、撮影後にカメラが壊れたり、体調が崩れたり、人間関係が微妙になったりと、悪いこともたくさん起きています。それに、傍から見ると悪ふざけをしているようにしか思えないかもしれませんが、僕らがこうして心霊たちのいる場所を取り上げてメディアに乗せることで、そこで起きた事件などの痛ましい記憶を風化させないようにしているんだと思っているんです」
富士樹海を始めとした関東の心霊スポットや沖縄心霊スポットでの衝撃映像は、7月23日より公開される『怪談新耳袋殴り込み! 劇場版』にて見ることができる。 ギンティ氏率いる「新耳Gメン」の罰当たりさと、驚愕の心霊映像に戦慄したい人はぜひご覧アレ!
最新のトリビア記事