★ビール成分に放射線防護効果を確認 放射線防護効果は最大34%にも
2011年 06月 02日
ビール成分に
放射線防護効果を確認
放射線防護効果は
最大34%にも!!
2005.8.11
放射線医学総合研究所
(プレス発表)
【概要】
放射線医学総合研究所 (佐々木 康人 理事長) 粒子線治療生物研究グループは東京理科大学薬学部放射線生命科学の研究チームと共同で、ビール成分が放射線を防護する効果があることをヒトの血液細胞やマウスを用いた実験で明らかにした。
アルコール飲料に放射線を防護する効果があることはすでに報告していたが、ビールに溶けこんでいる麦芽の甘味成分などに放射線により生じる染色体異常を最大で34%も減少させる効果があることをつきとめたのは初めて。
同研究グループは、広島・長崎の原爆やチェルノブイリ原発事故被害者のなかにアルコール飲料で放射線障害が低減されたという話がある事をきっかけにして研究を展開。ビールを使った実験でビールそのものに放射線防護効果があることを明らかにしてきたが、ビールの中の何に放射線防護効果があるかは、未解明のままであった。
今回、ビール中のアルコール分(エタノール)に加え、ビールに溶けこんでいる成分にも放射線防護効果があることをつきとめ、放射線被ばくの前にビールを飲むと、放射線による障害から防護されることを示した。
今後、同研究グループは、さらに放射線防護成分の探査を行うとともに放射線をあびた後の防護効果の確認、血液以外の臓器細胞に対する効果、作用のメカニズムの解明などに研究を発展させていく。
放射線防護剤にはさまざまな薬が開発されているが、副作用を伴うものもあり、新たな薬剤開発が待たれている。今回の成果は、新たな放射線防護薬剤開発に一石を投じるものとされる。
【背景】
放射線防護剤は一般には入手が困難であり、また副作用を伴うものが多く、長期間の服用にも課題が残る。このためニンニク、朝鮮人参、味噌などの食品や食品成分による研究が進められている。
同研究グループは、エタノール、メタノール、グリセロールなどのアルコール類に放射線防護効果があることが以前から知られていることや、飲酒により放射線障害が軽減されたなどの体験談から、アルコール飲料の放射線防護効果に着目した。
今回、数多くあるアルコール飲料の中でもビールを選択したのは、入手し易く、アルコール濃度がそれほど高くない(比較的飲みやすい)などの理由による。
2001年には、ビールを摂取したヒトの血液細胞を採取し、放射線を照射してダメージを調べる方法でビールによる放射線防護効果を確認した。だが、ビール中のどの成分が放射線防護効果をもたらすのかは、調べ切れていなかった。今回放射線防護効果を確認した成分等は、いずれもビールに極めて微量含まれている成分だが、これらが相加もしくは相乗的に作用していることが推察できる。
(飲酒後の染色体異常の数は、飲酒前のそれより明らかに少ない)
最新のトリビア記事
キーワード:放射能情報,放射能除去, 放射能被爆, 放射能汚染, 放射能 食物, 放射能 水, 放射能 魚, 放射能 野菜, 放射能から守る物質, 放射性セシウム, 放射性ヨウ素, 放射性廃棄物, 放射能半減期, 奇形植物, 奇形動物, 奇形児